遥か異界の地より

異世界で同級生から仲間外れにされた主人公は生き残るためいつの間にか修行中毒になり、旅をしながら強くなります。
はたして元の世界に帰ることができるのか、そして童貞を捨てる事はできるのか。

ありがちな異世界物とは違いしっかりとした物語で読み応えがある
その分、話しの進展がゆっくりなので読み手を選ぶのはあるのは致しかたがないが昨今の中身のない小説とは違うので是非読んでほしい

めっちゃおもろいです

主人公が地球から持ち合わせた性格・才能・強さで甘さのない異世界をガチサバイバルしていくところが新鮮でした。
ただ、テンプレ、ご都合主義はないことをアピールせんがためにダンジョンの魔族の生態の設定資料をそのまま読まされるのは正直うざったかったです。肝心の設定も目新しいものではなかったし、その他色んな場面で「もし、これが普通の異世界転生なら〜」と挟まって少々痛かったです。
ただ、この手の描写は一人称視点の地の文で描かれていたため、中3の主人公がご都合やチートを貰えなくてやさぐれてしまった結果、テンプレ異世界転生にイラついていると読めるのが面白いところ。

独特の世界観と精神が強靭すぎる主人公がすっごく魅力的。
めちゃくちゃ面白い。

満天の星空、二つの月──知覚を揺さぶる光景が現れた瞬間から、主人公の心は冷たく、鋭く震え始める。異世界という非日常に放り出された“普通の生徒”たちの恐怖と戸惑い。勇者幻想を嘲笑し、水すら求める現実的な焦燥。「非ファンタジーの異世界譚」と呼びたくなるほど、虚構と現実の境界を問い、存在と恐怖を深く抉り出す。未知に対して震えつつも思考を止めない姿勢が、読後まで心を引きずります。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（780文字）