もうごちゃごちゃ感が最高。
治安が世紀末並に終わってるVRMMOに紛れ込んだぴゅあぴゅあ主人公が、好き勝手にゲームを楽しんでいたらクズカス愉悦サイコパス共のダンスパーティー会場をいつの間にか爆破し尽くしていた話。
主人公以外のキャラが立ちまくってて、ナチュラルサイコが暴れまくった末に爆散して爆笑したり、色んな勢力が入り乱れて緊張状態の分総地域に何も知らない主人公が突っ込んで大爆発したりと、もうわちゃわちゃ感が最高なんですね
表情筋ニッコニコですよ。職場とか学校では読まん方が無難でしょう。私は隣席の人に怪訝な顔をされました。みんなも気をつけよう
大変面白かった。
デザイン学校新卒のような職人気質が極まるあまり、オンラインゲームに不馴れな方が参入して面白いことになるのは、某MMOをベータテストから眺めていた身としては大変痛快。
そして周りをめぐる仲間やヤジも、どこかで見たような面々。Tenpaiってご存じですか?
筆者は相当に知識人あるいは趣味人で、ここまで服飾の描写を見せつつも不快にさせない気配りも欠かしていない。
特に掲示板回は、単純で複雑だが読解が困難ではない。下手にリアルのネット用語を使わず、ちゃんと読者に意味が分かる短縮語を使う。
昔のネットを知っていればこれがすごいことが分かるだろう。
よって満点。星4つあげたいくらいだ。
職業、仕立屋。淡々と、VRMMO実況。を読ませて頂き有難うございました。私がこの作品を最初に発見したのはピッコマというアプリでした。あのアプリでゲーム世界というジャンルを淡々と漁り続けていた時にこの作品を読みました。初めはこの作品良さそうだな程度の感覚で読んでいたのですが、いつのまにかこの作品に引き込まれていました。ピッコマで出会ったのは二巻目が出る前でした。話読みで全部読み切った後にある時に別のアニメの深掘りとして作品を読んでみたいと思い小説家になろうに手を出したのが私がWEB小説に手を出した理由でした。その後は別の作品に出会い、全話読み、その小説の自己紹介欄を見た時にカクヨムで主に活動していると書かれていたのをみてはじめてカクヨムというサイトを知りました。私はカクヨムでさまざまな小説を読んでいるうちにこの作品に再び辿り着きました。それからは一話から完結まで読んでいきました。それまでの間私を楽しませてくれて有難うございます。これからの書籍化や小説家としての作品制作活動を細やかながら応援させていただきます。
「オンラインゲームのチャットルーム」は群像劇に最適のフォーマットなんだって、ご存知でした?
掲示板のコメント形式というフォーマットはWeb小説でのみよく見かけられる特異なものですが、ネット世代の読者層にとっては見慣れた形態。そして、大量のキャラクターが「一堂に会して」喋り続けることができるので、多方向の人間関係を描写しながら同時にキャラを立たせることができます。
多くのWeb小説では掲示板シーンを単なる「世論を示すおまけシーン」、「モブの会話」、果ては「モノトーンで主人公を褒めるだけ」のために使っています。しかし本作の場合、チャットルームの会話が作品の半分近くを占め、しかもそれが主人公を除く主要キャラクターたちの紹介の場であり、ゲームの情報提示の場であり、そしてキャラクター同士の関係性を見せる場になっています。何十人といる主要キャラクターたちがそれぞれの個性を発揮して、活き活きと罵り合い、情報交換し、陰謀を紡ぎ上げ、そしてそれぞれのサイドストーリーを進めていきます。
この構成が、「仕立て屋」というテーマとガッチリと噛み合っています。主人公のビビアは服飾職人。単に「強い装備を作るだけ」ではありません。掲示板でキャラを立たせたたくさんのキャラクターたち、さらにはNPCたちのために、それぞれの個性やニーズ、何より外見的特徴に合わせた衣装を仕立てていきます。デザインや手作業に何時間もかけて丁寧に作られた衣装には魂が宿り、キャラクターの個性を際立たせるような「スキル」が付きます。たとえばある人物は、本当はアイドルになりたかった。そんな彼女のためにデザインされた衣装の数々には、アイドルに似合った「スキル」が付きました。ゲーム的な描写にかこつけて、キャラクターの特徴を捉えた贈り物として機能しているのです。これを物語の中心に据えたのが本作。たくさんの個性豊かなキャラクターを出したからこそ、それぞれのキャラクターに服を仕立てていくということが物語として十分に面白くなる。勇者でも戦士でも魔法使いでも貴族でもなく、「仕立て屋」だからこそできるストーリー。
といっても、本作は基本的にギャグです。
面白い漫才やコメディというものははしばしば濃密な情報を叩きつけてきますが、本作も同様。チャットルームのシーンを非常に効率的に使って、過密なくらいに圧縮して情報を届けています。主人公はチャットルームに参加せず、マイペースに自分のやりたいことをやりながら衣装(国宝級のアイテム)を仕立てていきます。その主人公の行動がゲーム世界に大渦を巻き起こすので、ベテランプレイヤーたちが右往左往します。チャットルーム上での混乱と、それを気にもとめない気づきもしない主人公の温度差とギャップ。これを楽しめます。
本作はその性質上、序盤から大量のキャラクターが一気に登場して大量の情報を叩きつけてきますので、戸惑ったり混乱したりすることもあるかもしれません。が、とりあえず笑いながら読み進めてみてください。キャラクターがわかるようになってから後から読み返せば、だいたい全部わかるようになります。まずはとにかく、ご一読ください。