概要
天動説の様な雲海に浮かぶ大地で、ドラゴンの背に乗り大空を駆け巡るドラゴンライダーの冒険。
大地の果てで、ドラゴンライダーに憧れる貧しい青年ロン。
帝国国家に捕らえられていた姫様ハナは、ドラゴンに乗り逃げ出してきた。
出会った2人は、使命と自由の間で苦悩し、運命に導かれながら大空を冒険する。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!竜と雲海と古の都、少年少女の冒険と成長と別れが胸を震わせる壮大な物語。
神話から始まり、雲海と断崖、機械竜とドラゴンライダーへ一気につながる導入が、とても心地よく胸に入りました。ドラゴンと人の慢心が世界を何度も作り変えてきた神話が、そのままロンたちの「今」へ続いている感覚があり、プロローグだけで世界の奥行きが伝わってきます。
とりわけ印象に残ったのは、鉄の塔の昇降機上でのBBのエピソードです。地上に出たい一心でハナを帝国に引き渡そうとした少年が、あっさり撃たれ、「ごめんなさい……逃げて……」とロンの腕の中で謝る場面は、フォールミーの過酷さと、子どもである彼らの切実さを一瞬で突きつけてきて、読みながら息をのみました。その直後にベルマンと機械竜が炎をまとって乱入し…続きを読む - ★★★ Excellent!!!落下から始まる飛翔――竜と人が挑む雲海冒険譚!!
圧倒的に〝空気がある〟物語!!
神話詩の格調から始まり
断崖の追撃、鉱山都市の息遣い
雲海の底の異相へと──
舞台が変わるたびに
温度・匂い・手触りが更新されていく。
説明を台詞と
アクションに埋め込む筆致が巧みで
読み口は軽いのに世界は深い!
主人公の観察→仮説→即応が戦術に結び
操竜シーンは〝体で伝える〟快感が抜群!
可憐さと秘密を同居させたヒロイン
寡黙だが手際で信用を得る相棒役
矜持と笑みの裏に熱を秘めた強敵――
主要人物は立ち姿で性格が伝わる。
特に「縦」──(落下、上昇、潜航)を
使った見せ場が続き
ページをめくる指が止まりません!
硬いパンや指笛、鉱石の属性など…続きを読む - ★★★ Excellent!!!壊れゆく世界で、それでも守りたいもの
読み進めるたび、胸の奥で何かが静かに燃え上がる――『DRAGON RIDER』は、そんな物語です。少年ロンが出会うのは、滅びゆく世界の中でなお命の意味を問う少女ハナと、傷を抱えた機械竜コルル。三者の絆が少しずつ結ばれていく過程が、とても人間的で、美しく、時に切なく描かれています。
壮大な空戦や帝国との攻防、その迫力に圧倒されながらも、物語の根底に流れるのは「護る」という想いの尊さ。傷つき、迷いながらも、自分なりの夜明けを目指す登場人物たちの姿には、そっと背中を押されるような温もりが感じられます。
きっとこの世界に触れたとき、あなたもロンたちと一緒に空を駆け抜けてみたくなるはず。迷い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!空への憧憬が胸を打つ、重厚な世界観のドラゴンファンタジー
雲海に浮かぶ断崖絶壁の採掘都市、機械に覆われたドラゴン、そして光届かぬ暗黒の古代都市——この作品の世界観の作り込みに圧倒された。
貧しい採掘労働者の青年が、思いがけない出会いから大空へ飛び立つ展開は王道ながら爽快感があり、随所に散りばめられた父の足跡や古の神話といった謎が、先の展開への期待を掻き立てる。
ドラゴンライダーへの憧れ、階級社会の理不尽さ、そして自由な空への渇望——キャラクターたちの想いが丁寧に描かれ、冒険の高揚感だけでなく、物語に深みを感じさせてくれる作品。
骨太なファンタジーが好きな方、じっくり世界に浸りたい方におすすめ! - ★★★ Excellent!!!ドラゴンと共に堕ちた姫の運命は?
遥か昔、神に祝福されたドラゴンは、やがて人と争い、空へと忘れ去られた。
そして今、世界の終わりと呼ばれる断崖「フォール・ダウン」の上空に、
2体のドラゴンが交差する。ひとつは機械の鱗を纏い、もうひとつは紅蓮の炎をまとう。
背に乗るのは、帝国に追われる姫と、それを追う「紅蓮のフレア」。
命からがら飛び込んだ雲海の中、姫と機械ドラゴンは制御を失い、
深く濃い霧の底へと堕ちていく。
彼女を救ったのは、採掘都市フォールミーで働く整備士の青年・ロン。
偶然出会ったふたりは言葉を交わし、互いの名を知り、
やがて「ヨルムンガンド」という名を持つ、帝国の空の向こう側を目指すことになる。
雲に包まれた崖…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ドラゴンと共に空を駆け、失われた神話と運命に挑む冒険ファンタジー
古の神話と科学が交差する世界で、ドラゴンと人が織りなす冒険譚『DRAGON RIDER』。帝国に追われる姫ハナと、鉱夫の少年ロンが出会い、機械竜コルルと共に空と大地を駆け巡る展開は、王道ながらもテンポが良い。ワイバーン、深紅のフレア、目玉の怪物、神の使い──と、次々に現れる強敵や謎の存在は、物語世界の奥行きを深めている。また、ロンの無邪気さとハナの使命感、ベルマンやマンガンら脇役の存在も物語に温かみと深みを添える。とりわけ“古の都アバロン”の描写は神秘に満ち、世界観の核として魅力的。敵か味方か曖昧な存在が多く、先の読めない展開にワクワクさせられる。ドラゴンと心を通わせ、己のルーツと向き合うロ…続きを読む