時に第一次世界大戦のもと、界隈ではいにしえの伝説がよみがえりはじめていた。いわゆるは、吸血鬼である。
この事件に立ち向かうは、吸血鬼と人間のハーフたるヴァンピーラ少女のソフィア。果たして、物語の展開やいかに!?
本作は、その世界観が非常に正確かつ鮮明で、一言一句も重厚感にあふれています。それはまさに、ブラム・ストーカー作の『吸血鬼ドラキュラ』を彷彿とさせます。
また、魔法の時代から産業革命を経て科学技術の進歩へとつながる描写は、あたかも伊藤計劃著『屍者の帝国』が思い起こされます。
史実と伝説の折り重なる、とてもダークな近代ファンタジーな作品です!
吸血鬼ハンターのダークシチュエーションを見たい方は、ぜひご一読ください!
誰もが知るヴァンパイアの祖・“ドラキュラ伯爵”ことヴラド串刺公の娘(つまりダムピール)、
実存する吸血鬼界の花形・“血の伯爵夫人”ことエリザベート・バートリ(最近では現地の呼び方に倣ってバートリ・エルジェーベト、の方が聞かれるかな?)、
そして(今作では名前だけですが)フランスの“青髭”ジル・ド・レなど、吸血鬼好きなら名前を聞いただけで読まずにはいられないだろうと思われる、ゴシックホラー・アクション小説。
そう、アクションなのです。
私はこれを読みながら、往年の名作ゲーム〈悪魔城ドラキュラ〉を思い出していました。小島文美さんが美麗なキャラデザを担当されているあれですね。
プレイしたことのない方には何のこっちゃでしょうが、この作品自体が、そのゴシック調の世界観、ハンガリー語人名など、「刺さる人に刺さればいい」という姿勢なので、ハマる人はハマって検索していただき、改めて読み直してみて下さい。
更新を見た時は「この重い設定なのに7話で終わるの⁈」と思いましたが、これは連作の序章にすぎないようです。
悪魔城の夜はまだ明けない…