第9話までのレビューとなります。
両親を殺害してしまう主人公の美翠水蓮。
しかし、彼女は自身の生き方と価値観とを歪めることを知らない狂人JC。
幼女専門の猟奇殺人鬼からの誘いに乗って魔王軍の仲間になってしまう悪しき流れで物語は幕を開けます。
これだけでも十分恐ろしいのですが、物語の進行に伴い鏖殺の描写などの尖鋭化が際立ち、非常にハラハラします。
まるで殺戮にいたる病の如く『友達がほしい』と言わせる狂気を超えた狂喜乱舞の沙汰に、身を貫かれるような衝撃を受けます。
悪の組織で送る青春は、友達と一緒に異能でヒーローを倒すこととあるが、一体この先どうなってしまうのか。
経験したことのないような一味違ったダークなローファンタジーをお楽しみください。
友達のいない15歳JC、美翠水蓮。
物語冒頭、彼女はいきなり母親を金槌で殴打します。
母親は命を落としますがしかしそれは彼女なりに将来について合理的に考えた結果。
自分の量刑を冷静に推測し、今度は少年院での友達作りを目論みます。
……人の心とかないんか。
いやいいんです、彼女はこれでいいんです。
ほら、その甲斐あって(?)無事に魔王軍からスカウトを受けることができました。
所属を予定する部隊にはクセの強い面々がずらり。
彼女は入軍試験を突破して魔王軍入りすることができるのでしょうか。
これだけぶっ飛んだ設定ながら陰鬱な雰囲気はなく、明るく軽快なセリフ回しが印象的なこの作品。
テンポよく進むストーリーと個性的なキャラクターたちの織り成す世界観はこれまでに読んだどの作品とも被ることのない魅力あふれるもので、一気に引き込まれました。