世界で一番おかしな船

　この物語は、船とその冒険への旅を描いたファンタジー作品です。タイトル「世界で一番おかしな船」は、その名の通り、独特でユニークな船の物語を予感させます。物語は船が小さな港町から出航し、様々な島を巡りながら自由を満喫する過程を描いています。その中で出会ったカモメや他の船との交流、そして孤独や寂しさといった感情との向き合い方が描かれています。

　物語の魅力の一つは、その豊かな描写です。また、船とカモメとの対話や、他の船との交流は、友情と孤独、目標に向かう決意など深いテーマを浮かび上がらせます。

　特に印象的なのは、船が自分の存在や目的について考えるシーンです。これは自己反省のきっかけにもなり…続きを読む

友にもらった名前

痛んだ帆と船体

島を訪れた記憶と風景

いつか世界を巡る日まで……


生きることは旅すること
出会いと分かれがあり
痛みと怖れに向き合うことでもある

船は今日も旅をする
いつかもう一度、君に出会う日まで

　テセウスの船のパラドックス。
　ええと『マジンガーＺ』なら、兜甲児は「おじいちゃんの作ったマジンガーＺ」で戦います。戦いでボロボロになって修理や改造された最終回の後のマジンガーＺは「おじいちゃんの作ったマジンガーＺ」なのか？
　いや、絶対に「おじいちゃんの作ったマジンガーＺ」です。
　最終回の後のマジンガーＺを「あれは、おじいちゃんの作ったマジンガーＺじゃない！」と考えるのはどんな人なんだろう？

　……と考えてみる物語、と思えました？

これは…………泣ける！！
(´•̥ ω •̥` )
『テセウスの船』を題材にした童話ですね。

このパラドックスを童話にする、というセンスがもう素敵すぎます(*´艸`*)

内容は、絵本で読みたくなるような、ほんわかした文章とストーリー。
一艘の船が、世界を航海する話です。

時々、冷や水を浴びせられるような、どきりとさせられる文章があったり、胸をぎゅっと締め付けられるような文章があったり……。
始終やわらかな文章で書かれていますが、誰もが経験する人生のワンシーンに重なる部分がきっとあると思います。

最後は、とっても素敵な、感情を揺さぶられる素晴らしい終わり方になっています。

童話と思っ…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（330文字）