サクラに狂わされる

この小説は、？て思いながら、身を委ねて下さい。
最後まで読むと、救いの小説なのだとわかります。

とてもよかったです。

安直なことを考えてしまった自分がちょっと恥ずかしくなる位。

うまいなぁ。
文才ってこういうことを言うんだろうなぁ。

そしてまだ高校生か。
それがすごいと思う。

「桜の木の下には死体が埋まっている」
もう何百何千と擦られ出し殻になっていたと思っていたこのフレーズ
まさかこのような観点から新しい物語を生み出せるとは思ってもみなかった
高校生にしてこの着眼点は実に末恐ろしい

この小説を読み終えた時、勝手に「うわー、負けた！」と思いました。

と言うのも、正にこの小説は僕が理想としているものなんです。

テーマも、導入も、伏線も、キャラも台詞回しも何もかも。常日頃僕が「こんなの書いてみたいなー」と思っている小説そのものでした。

そして何より悔しいのが、この小説の作者、野々宮さんが僕と同年代だと言うこと。あと2年早く生まれててくれれば同じ土俵で戦わずにすんだのにー！と思わざるをえません。

それほどまでに素晴らしい作品でした。ぜひみなさん読んでみてください！！
僕も負けないように精進します！(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

ただ絶句の一語。読めばそう思える。強いて言うなら幻想的。

忘れたふりをした記憶が、

桜が咲くたびに、目を覚まし、

そして、再び語りかけてくる。

梶井基次郎は、桜の木の下には死体が埋まっている・・と書きましたが、死体でなくても、何かがきっと埋まっているんですよ。
桜の花に酔うように・・作者の流麗な文章に酔ってみてください！

元気で勢いのある美少女と、ちょっとおとなしくて暗い印象を受ける主人公の対比が素晴らしい!

オチを知ると、ストンとその対比が胸に落ちるのです。

自分自身を生きている人は、エネルギッシュな人が多い印象なので。

桜の下を愛おしく眺めたくなる物語。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（135文字）

桜の木の下に埋まっていたのは意外なものでした。
謎の美少女の正体に驚かされる作品で、楽しめました。