概要
芸術とは何か。
かつて、天才と呼ばれた少女画家がいた。
一人の花火師の男が、数十年の時を経て、彼女に手紙を書いている。
那智風太郎様の「真夏」「夜」企画に出したかったやつです。いったん没にしてから再生しました。
【三題噺 #72】「単位」「父親」「額」にも出そうかと思っていたんだけど……(お前今さら何言ってるんだのレベル)
一人の花火師の男が、数十年の時を経て、彼女に手紙を書いている。
那智風太郎様の「真夏」「夜」企画に出したかったやつです。いったん没にしてから再生しました。
【三題噺 #72】「単位」「父親」「額」にも出そうかと思っていたんだけど……(お前今さら何言ってるんだのレベル)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!本当に血の通った作品とは、こういうのを言うんでしょうね。
時代掛かった武骨で不器用な語り口で展開される、迫力ある表現に圧倒されっぱなしでした。
共に由緒ある花火職人の家の出である、考え方も感覚も正反対の二人が、花火を描いた絵を巡って、反発し合い、やがてそこに決定的な亀裂が生じてしまう。
天才的で自由奔放な感性と、実直で写実的な精神とがせめぎ合い、互いに譲らぬまま終わるかと思われたその最後に、二つの世界が重なり合う起死回生の傑作がその姿を現す。
何処を切っても、真っ赤な血の吹き出す様な、気迫の籠った描写が素晴らしく、最後まで夢中になって読んでしまいました。
是非読んでみて下さい。その圧倒的な世界観に酔い痴れること必至です。 - ★★★ Excellent!!!残像
ひじょうに優れた作品が、公募の文字数を満たしていない、またはカクヨムコンの時期ではないというだけで運営の眼には止まらない。
ひとさまの作品に対してそんな悔しい想いを、何度してきたことだろう。
二ヶ月続くコンテストの期間であれば間違いなく一次を突破し、さらには最終候補にも選ばれるであろう作品が、続々と生み出されては眩い才の耀きを放った後に、すう、と数日で消えていくのだ。
夜明けを決して見ることのないそれらの花火に出会うたびに、胸が詰まる気がする。
湿った砂浜から夜の海を睨みつけるようにして、数多くの良作がほとんど誰からも知られることなく呑み込まれていく黒い波の分厚さに、怒りにも近い…続きを読む