こんなにも惹きつけられる作品に出会ったのは久しぶりです。序盤のホラー的な雰囲気も良く作られており、中盤のSFや叙事詩への移行も非常にスムーズでした。このような興味深い作品を世に送り出してくれた著者に感謝します。
内容の素晴らしさもさることながら、序章の簡潔で惹きつけられる報告書群による導入が素晴らしかったです。内容については詳しく書きませんが、右園死児という怪異の恐ろしさと、それに関わってしまった人間の行く末を楽しんでください。
前半はモキュメンタリーです。昨今はやりの。でも中盤から話が膨らみだし、最終的にはSFミリタリーサスペンスのように。最後は仲間たちとの最終決戦と、どんどんいい意味で青臭くなってくる。熱い作品だと思います。何かの二番煎じとして読まず嫌いをするのは勿体ない!
読み始めは短い報告書形式でサクサク読むことができる。そのテンポのまま作品世界に没入していき、中盤から怒涛の展開へと読者自身が巻き込まれていく。そんな読書体験ができる素晴らしい小説でした。
明快で淡々とした筆体とは裏腹に、混沌を極めていく世界が素晴らしい。SFとホラーが緻密に織り込まれた、傑作長編。想像力を駆り立ててくるスリルの中で、「人として生きる」ことを考えさせてくれる。続編が欲しいような、欲しくないような。メディア化されて欲しいような、このまま読まれ続けて欲しいような。大満足、しかしほんの少しの歯痒さを孕む読後感だった。個人的に大好きな某有名漫画と、某SFスプラッタ小説を思わせる描写が散見されるが、偶然だろうか。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(246文字)
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面白かった。SCPが好きな方は楽しめると思います。だんだんと報告書ではなくなっていきますが…短いのでパッと読めます。書籍化したとのこと作者様おめでとうございます。
タイトルや序盤の内容から不気味で不条理な怪談を想定していたら、読み進めるうちにSCP作品を連想するテイストになっていき、そうかと思うと次第に不気味でおぞましいものの熱い展開の近未来SF的な読み味になっていき、直近のお話はまるでアクションRPGのラスボス戦のよう。どんどん読み味を変えながら進む物語に惹きつけられます。この先、どうなるのか。
ホラー普段苦手で読めないのに…気になって気になって一気に読んでしまいました。主婦が何時間もスマホを手放せなくなる壊滅的被害が出てます。この報告書は安全ではありません。