異世界ラストクルセイド ― 黒騎士と呼ばれた兵器 ―

「SFの超兵器が剣と魔法の世界で無双する」単純なお話だと思って読むことを避けていた自分を殴りたい。

闘うこと以外の存在理由を知らない「元人間の戦闘兵器」が流刑先の惑星で、自分が置かれている状況を淡々と分析しながら、(良くも悪くも)人間と触れ合い生きる意味を探して行くどストライクな小説でした。

本来なら宇宙の彼方へ飛ばされるはずだったアラガミ改造戦闘兵966。

しかし、たどり着いた世界は異世界。

SF世界からやって来た兵器である966の異質さが異世界で際立ち、それがまたかっこよさにも繋がっています。

SF×異世界の中々類を見ないマリアージュが織りなす世界観にただただ圧倒されるばかりです。

作品の作り込み、文章力、そしてキャラ。多くの方の評価が名作であることを証明しています。

硬派な作品をお求めの方は是非ご覧下さい。

難解な作品。

ブレードランナー。
アキラ。
攻殻機動隊。

難解と言われつつも、
カルト的な人気を誇る。

なぜ、人気なのか。
マニア感をひけらかす一部の人間の背伸び。意味も理解せず、マニアである自分に酔っているだけ。
それもある。
しかし、本質としては、作り手の妥協しないこだわりに魅せられているのだろう。

妥協せず、自らが望む作品を作り出す。
それには勇気がいる。
エンタメは作り手のオナニーでは成り立たない。
受け手にウケなければ、ただの日記に過ぎない。

このお作品、見事。
妥協しない作風。
それが受け入れられている。
評価の星がそれを現している。
そして、何よりもおもしろい。
ぜひ…続きを読む

まだ8話までしか読んでないけど　、ラノベ1冊読んだくらいの満足感。

遠い次元の果ての剣と魔法の世界に流された改造被験体 No.966。機械的に割り振られた番号を彼はクロムと読み替え、冒険に旅立ちます。
良く言えば平等、悪く言えば無差別に他者に接し、時に無関心ゆえの真理を無愛想に告げる彼は困ったことに大変格好良いのです。

格好良いです。惚れます。（惚れました）

自らが世界の異物であると認識し、生存のための利を追求する彼と人類はどれだけ同じ方向を向いていられるのかという不穏な要素もあります。
強大な力を持つ彼に関わることで揺れ動く人々の描写もまた見所です。

5話くらい読めば文章能力の高さと異世界愛、そして面白さが分かると思います。
ぜひ読んでみてください。SFの取っ付きにくさもありません。素晴らしいお話です。評価の圧倒的足りなさが分かるはずです

血なまぐさい世界(にクロムがしてる)で巻き起こる戦闘が面白いです。それだけでも十分楽しめます。
ですがそれ以上に周囲のクロムに狂わされる人々、はたまたそれに影響を受けるクロムの姿に目を奪われます。
放り投げられた宙ぶらりんの兵器が新たな大地に足をつけて歩く物語です。
その歩みに揺らされ自らの道を踏み外す者やその横を歩くために必死で食らいつく者、クロムや彼らの足跡が災禍をもたらすものなのか変革をもたらすのか。

０話のところしかみてないけど面白かったです。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（89文字）