主人公の白 霞は唐の女性ですが、彼女は母譲りの美しい青い目を持ちます。
不遇な結婚生活を送り、十五年耐えた末に夫の暴力に耐えかね実家に戻ります。
実家でも母からは冷たく接され、人生そのものに失敗してしまったのだ、と打ちひしがれていたところで、日本からやってきた美貌の遣唐使、大川と出会います。
海を隔てたふたつの国を跨ぐ恋の始まり――というだけに、この作品は留まりません。
白 霞と大川の周囲に現れる登場人物ひとりひとりの人生――過去、現在、そしてその行く末までが余すところなく丁寧に描かれます。気づけば唐を超えて大陸のはるか向こうから、そして遣唐使の故国日本まで、濃密なままに舞台は広がりを見せます。
いったいどれほどの物語が、この作品に詰まっていることでしょう。
気付けば彼らひとりひとりと共に道を辿り、時を巡る、そんな壮大な体験ができる素晴らしい作品です。
遣唐使については、誰もが習ったと思います。
この時代に海を渡って唐に行き、日本に戻ることは、命がけのことでした。
遣唐使の恋という主題を軸にして、たくさんの登場人物にそれぞれのドラマがあり、生き生きとした地の通った人々の描写に、読みはじめたら、きっと夢中になることでしょう。
私はヒーロー、ヒロインのふたりとは別に、作品の中のある人物、ずっと主人の影となり、凄惨な生い立ちを持つ彼の行く末を案じておりました。
この物語を読んで、どんな過去があっても、幸せになれる、幸せになって良いのだと思えました。
作者様の物語は、ハッピーエンドがお約束です!
長編ですが、加須千花様ワールドにどっぷりとハマって下さい。読み終えたとき、この作品と出会えた喜びをきっと感じると思います。
おススメです!
『大人の女性の恋』
物語は長く、深く、どのキャラクターも個性的で、語るべき事は、とても多い。
とっても多いのです。
しかし、そんな事は加須千花先生の作品なら当たり前の話なのです。なのでそれは割愛させていただきます。
このレビューのタイトルに付けた『大人の女性の恋』
これについて少し語りましょう。
主人公、伯 霞(ハク カ)
彼女は聡明で美しく、とても可愛らしい性格をした女性です。
サレ妻・DV・バツイチ・三十路と、女性としてはやり直しが効きにくい年齢と肩書を背負っております。
そんな彼女に共感を持てるような境遇の女性も少なからずいると思われ、そうでなくても、人生こんなはずじゃなかったのに、と、やり直すかどうか、二の足を踏んでいる女性も少なくはないでしょう。
そんな
そんな貴女にこそ読んでほしい!!(男性も読んでほしい。世の女性の気持ちを知ってほしいから)
人生はいくつになってもやり直せる、恋だってして良いし、幸せにだってなるべきなのだと!!
そんな彼女のお相手は、知る人ぞ知る、あの!大川様なのです!! 世の女性なら誰しも憧れる(言い過ぎ?)、あの!大川様なのです!!
これはお話なんですから、そんな白馬の王子様的な夢くらい観たって構わない、そう思いませんか?
ほら、あなたも勇気を出せば、また、新しい人生の扉が開かれるかも知れませんよ!?
『人生は恐れさえしなければ素晴らしいものになる。必要なのは勇気と想像力…そして少しばかりのお金だ』と、かの恋多き喜劇王・チャップリンも言っております(笑)
なにより、加須千花先生の描く恋物語なのです。きっと、誰も後悔しませんし、満足いくこと請け合いでしょう!!
いやまあ、すみません。まだ話途中で最後まで読んだわけではないのです。ですが、どうしてもオススメしたくてこのレビューを書いてしまいました。
読み進めたら、また更新するかも知れません。悪しからずご了承くださいm(_ _)m
byかぞのふぁんのぼっち
舞台は八世紀、唐。
ヒロインである唐の女性の白霞(ハク カ)は嫁ぎ先のモラハラ暴力旦那と離縁して、実家に逃げ帰ります。
しかし、実家の母は条件の悪い見合いをさせようとするし、元夫は復縁を迫ってくるし……。
でも、もう三十。もうおばさん。そして、子供もできなかった。実家ですら肩身が狭く深く傷ついている彼女に前に一人の男が現れます。
彼は日本から遣唐使としてやってきた年下の美貌の男、大川です。
男装して街を歩いたりとふたりは徐々に仲を深めていきますが……
ヒロインとヒーローもさることながら、個性豊かな仲間たちにも深いドラマや重い過去があり、皆生き生きと人間らしく描かれています。
何より唐という一見とっつきにくそうな舞台ながらとてもわかりやすく、それでいて丁寧に描写されていてきらびやかな世界が目に浮かびます。
え、この二人、これからどうなってしまうの? というハラハラする展開、恋に葛藤し、悩む男女の決断は……。
彼らの世界を覗いてみませんか?
そこには歴史ラブロマンスが広がっています。
8世紀の中国、唐を舞台に描かれる、遣唐使と唐女の恋の物語です。
宝石商の妻・白 霞(ハク カ)が、夫から暴力を振るわれて離縁するエピソードから始まるこの物語。望まない見合いを迫られたり、元夫から復縁を迫られたりと、白 霞の周囲には問題が無くなりません。
そんな中で出逢う、遣唐使の大川さま。彼との出逢いが、彼女に新たな人生の舵を切らせていくのです。
この大川様が、それはもう超絶美貌で眼福このうえなし! 優しいうえに武術にも長け、発する声も耳に心地良く。更には無邪気な可愛さも持ち合わせています。
その年上ヒロインたる白 霞は、青い瞳を持つたおやかな美女。博識であり、お客様相手もうまく、聞き上手で、思いやりのある女性です。物事に真っ直ぐ向き合おうとする気概には好感が持て、時には心を飛び跳ねさせている可愛らしさにも頬が緩みます。
寄る年波を気にしていたり、年上女性としての気持ちも目を逸らさずに描写されているのも、好ましい部分のひとつです。
中心となる二人だけでなく、彼らの周囲のキャラクターも愛情深く丁寧に描写されています。それぞれにドラマがあって、今日に至っていることが分かり、感情移入して応援してしまう! 推しが多くなることは覚悟してください!
8世紀の唐のお話なんて難しそうでついていけるか心配……そんな心配は無用です。使われている単語や、彼らが発する言葉から、自然と物語の雰囲気に浸らせてくれます。
長安を歩いているだけでも楽しいですし、ドキドキの心理描写、ハラハラしつつ見入ってしまう戦闘描写も圧巻です。
個人的に二人以外には、特に疎雨がお気に入り。この男がまた、泣かせるんですよ……!!
作者の加須さまはイラストも描かれるのですが、これがまた素敵なのです。物語の進行と共に楽しめるようリンクが貼られていますので、彼ら彼女らの表情豊かなイラストと共に楽しめること請け合いです!
作者さまから完結保証されている点も安心。
お薦めします(^^)!
結婚に破れ実家の茶店に戻った白霞。彼女は癇癪もちの母と女たらしの元夫に苦しみながらも、年下の遣唐使・應俰との出会いに希望を見出す。離婚を経て自由を得た彼女は、男装して気晴らしをしたり、友情や異国の知識を通じて自立への道を模索。長安の街で人々と交流を深めるうち、新たな人生に踏みだす。
不幸な白霞が遣唐使の應俰に出会い、彼と心を通わせていく過程にすごくドキドキしました☆
主人公は辛い離婚を経験した大人の女性なので、恋愛模様も大人っぽい話が多くて、わたし好み♪
それに、作者様は唐の時代の中国や日本の知識が豊富!
あの時代、あの地域の文化交錯をここまで濃く描いた作品は、今まで読んだことないかも!!!
主人公の恋愛模様はもちろんですが、唐の賑わいを追体験したい人にもおススメの一作です☆
第4章までのレビューですが、本作の魅力は人間模様の緻密さにあると思います。
結婚に辛い過去を持つヒロイン、白霞さんが出会ったのは、遣唐使としてやってきた大川さん。ですが、訳あって白霞さんは男装し、兄としてふるまいます。
大川さんも大川さんで女性に対し思うところがあるようで、男である(と勘違いしている)白霞さんには少しずつ心を開いていく様などが鮮明で、見ていてドキドキハラハラもあり、大川さんや白霞さんの人間的な魅力にもどんどん引き込まれていきます。
また彼らだけではなく周りの人間模様や背景などもしっかりと描きこまれていて、どんどん世界に入っていけると思います。
おすすめの作品です。
時は八世紀
舞台は中国の唐
織りなす物語は、海を越えた壮大なラブストーリーときたもんだ。(講談師風)
そこで驚いたね~
ヒロインの強いことよ。
運命の仕打ちに涙を流しても、凜と前を向く姿は健気だ。
女性の強さと悲しさを描かせたら、この作者には適わない。
パン、パン、パパン (張り扇で机を叩く音)
また、ヒーローがいい味を出しているから驚いた。
そうよ。遣唐使よ。海を渡ったイケメン男は、命がけで恋をする。
過去とは、二人が出会うために用意された試練! パンパン
物語に引き込む描写力に狂いなし! パパン
読んで後悔なしの恋愛小説、
褒め始めるときりが無い、これにて語り終わりでございます。
まとめると、『面白いから読んでね』と言うことです。
舞台は8世紀の中国。唐の時代です。
宝石商人に嫁いだ白 霞(ハク カ)は、支配欲が強くて暴力を振るう夫と離縁して、茶肆の実家へと逃げ帰ります。
霞は三十代のいわゆるおばさん。
元夫との間に子がなく、それだけで嫁ぎ先でも実家に帰っても肩身の狭い思いをしています。
冒頭から読み進めていると、霞の境遇がとても身につまされます。
どうして若くないと駄目なのだろう。
どうして結婚していないと駄目なのだろう。
どうして子を産んでいないと駄目なのだろう。
夫に従順で、子を産んで育てることが、どうして女の幸せなのだろう、と。
現代社会でもよくあります。
それが幸せで人生の終着点、そこから外れた道は不幸の元、けっして幸せじゃない。
でも、おかしいですよね?それって、誰が決めるのかな?
結婚に失敗したことも、離縁したことも、子を産まなかったことも、実家に帰ったことも、年を取っていくのも何ひとつとして悪くない。
ここまで読んでモヤモヤした方は正解です。
ヒロインの霞は実母から心ない言葉を投げつけられたり、おせっかいな知り合いのおばさんに、無理やりお見合いをさせられたりします。
悲しいかな、この人たちは霞のことを不幸な女性だと思っているのです。でも、そんなことは全然、まったくもってありません!!
霞は傷ついて実家に戻ってきましたが、ここから第二の人生のスタートです!
彼女は茶肆で働くことが好きですし、接客も得意です。
ある日、日本の遣唐使と出会って恋に落ち───??
と、思いきや?キラッキラな恋がなかなかはじまらない……!??
というのも、この年下の美青年はちょっとワケありのようなのです……!
そして、なかなか恋がはじまらない理由ももうひとつあるのですが、そこはネタバレなので、ぜひぜひ読んでみてドキドキハラハラをおたのしみいただけたらと思います!
日本から唐に遣わされた美貌でありながらも女性嫌いの男性と唐の商家から離縁して戻ってきた傷心の三十路の女性とが織り成す恋愛を描いています。
登場人物たちの個性が光り物語の構成も面白く巧みで読者がワクワクするような展開に魅了されます。
果たして結婚に失敗したヒロインが自分の価値や幸せを見つけることができるのか?
過去のトラウマから女嫌いの遣唐使が女嫌いを克服することができるのか?
所々で描かれる挿絵も見所の一つです。
そして気になる二人の恋の行方は?
ワクワクドキドキ、今後の展開が気になる私です。
一緒にこの二人の恋の行方を追ってみませんか?
まずは、皆さん8話まで見ましょう。
この小説の素晴らしさは、圧倒的な歴史知識で作り上げた世界と、人の息吹が感じられるほど、リアルに生きているキャラクターを作り上げている所です。
7話までは、不遇な主人公と理不尽な昔の社会が描かれている。
8話からは再びヒロインに差し込むも、年齢という逃れられないハンデを抱える切なさ。
そのストーリーがまるで自分がタイムトラベルしたかのように、唐の町中でキャラクター達と体験している様な感覚で楽しめます。
歴史、特に中華なので馴染みのない漢字、言葉がでてきますが、作者の力量で限りなく読みやすくなっています。
間違いなく傑作歴史、恋愛小説なので、皆さんにオススメです!
加須千花さん、人間を描くのがとてもうまいのです。
人間そのもの、心のありよう。
舞台は奈良時代。そして、日本から中国に渡った遣唐使たちの物語。
遣唐使にあの、大川さまがいるのです!!!
大川さまは、加須千花さんの作品の中では、王子さま的な存在なんです。
大好きなんです!!!!! 大川さま推しですっ
だけど、加須さんのお話はね、どのキャラにも命があって、ストーリーがある。
大切な人生がある。
そういう物語がとても好きです。
「遣唐使の恋」では、わたし、当時の結婚の在り方などをしみじみ考えました。
また、女性の生き方も。
わたし、嬉嬢がかっこよくてとても眩しく思いました。
いいなあ。
あんなふうに、胸を張って、好きな人の手をとって颯爽と生きていきたい。
そういう女性でした。
続きもとても楽しみです。
そうそう!
加須さんは、イラストもお上手なんですよ~
近況ノートのイラストも楽しみにしています(*´ω`)
奈良時代の物語の紡ぎ手といえば、こちらの作者様!
本格的な古代の描写は本作でも健在です。
そしてなんと、今度の舞台は唐。シリーズお馴染みのあの方が遣唐使として異国に向かいます。
少し読んで「シリーズもの?」とブラウザバックはもったいない!
初めての方は尻込みしてしまったり、一作目から読まないとダメかもと思ったり……もちろん、気持ちはとてもわかります!
ですが、そんな心配はきっと必要ありません。
どの作品から読み始めても楽しめるような配慮がいっぱいですよ。
「とはいえやっぱり心配……」
という方には、新たな地・唐を舞台にしたこちらの作品は特にオススメです!
これをきっかけに、どっぷりと本シリーズに浸かりましょう!
物語の主人公は、結婚に失敗した美しい女性、白霞。
夫に暴力を振るわれ、逃げ帰った実家でも冷たくあしらわれ……そんな彼女に、運命の出会いが訪れます。お相手は遣唐使の慶俰。(ファンの皆様、あの人です!)
自分はもうおばさんだし離婚歴があるし幸せにはなれないの? と思っている白霞ですが、男装(!)をしたりドンドン外に出たりと活発な女性で魅力的。もちろん悩み事はありますが、ただやられっぱなしの女性ではないのです。
対して慶俰は高貴な血筋の美男子で、周囲が放っておくはずありません。それゆえ彼は、女性に対して複雑な感情を抱いています。下心から言い寄ってくる女性に嫌気がさしているようなのです。
二人の出会いは少し特殊なシチュエーションでして、そこがまた、女性嫌いの慶俰の心を開くきっかけにもなるのでしょう。
まさに出会うべくして出会った二人。最初は友人として仲を深め、じれじれなすれ違いを経て、やがて……?
シリアスな現実もあるけれど、笑いも忘れない台詞回しと、前向きなキャラクターたち。
古代の空気を感じる本格的な描写ながら、読みづらいところは全くない。
そんな素晴らしい筆致で描かれるのは、あらすじにもあるとおり、綺羅綺羅しい年下男子との恋ですよ!
みなさまもぜひ、唐の風を感じつつ物語の世界に浸りましょう!