遥とキンモクの不思議な商店街

愛犬はペットではなく家族である。
そんな当たり前の事を、改めて気づかせてくれる素晴らしい物語です。

小さなお子さんに語って聞かせてあげてください。

主人公の遥は犬を飼うことを夢見ていました。

母親から聞いていた大切な家族。
いつか自分もそんな家族と一緒に過ごすことを夢見て……

犬はペットですか？
それとも大切な家族ですか？

もしこれを読む方でペットを飼われている人がいるのでしたら、是非ともその子のことを考えながら読んでもらいたいです。

その子が家に来た日のことを。
その子と一緒に過ごした日々のことを。

いるのが当たり前になっているかもしれません。
でも、
今の一瞬、一瞬を大切にしてもらいたいのです。

きっとその子はあなたのことが大好きだから。
あなたが構ってくれない時も、ずっとあなたのことを想っているから。

後になって「あ…続きを読む

まず1話2話の、子供ながらの切実な想いにウッとなって惹き込まれました。
犬のひげの本数まで覚えているところとか。散歩のコースまで決めているところとか。

その切実な願いが潰えそうになる、その瞬間に現れた、茶色い犬。
これでもう心を掴まされました。

物語は途中から意外な展開を見せ、少しホラーな場面も出てきます。

既に素晴らしいレビューが書かれていたので、つけ足すことはないと思いながらも、心温まる物語への感謝を込めて。

犬好きの方もそうでない方もぜひ読んでみてください。

　とても素敵な物語でした。

　主人公の遥は、ある日に保護犬の譲渡会で一匹の茶色い雑種犬と出会う。遥は犬を引き取って『キンモク」と名付け、すぐに仲良しになる。
　そうして一緒に散歩に出かけた先で、彼女たちの身には『ある出来事』が起きて……。

　その後、遥は日常と地続きにあるような、ある不思議な状況に身を置くことになっていきます。そんな中でも自分の身の安全よりも、愛犬であるキンモクを見つけることを優先しようとする。

　遥がキンモクを想う気持ち。同じく、キンモクも飼い主である遥を大事に想っていることが伝わってくる。

　彼女たちの身に怒る幻想的でちょっと怪奇な状況の面白さもさることながら、一…続きを読む