近未来、宇宙開発、月面探索、etc、etc……そんなSF好きにはたまらない単語が羅列される中で、突如発生する『ダンジョン』という言葉。ファンタジーとSF、そして両親の死から始まった復讐劇……三つのチグハグな要素が絡み合った末に、解き明かされる謎は、はてさて何か——。
……という感じで、SF好きにもファンタジー好きにもオススメできる本作です。が、その魅力は、もしかしたらキャラクターの方かもしれませんよ?
まだ第四章の半ばまでしか読んでいない為、今後の展開は読めませんが、主人公のヴィクター君が復讐者としての道を突き進まんとする一方、両親と同様に思わず人助けをしてしまうシーンや、個性強め(?)なキャラクターに振り回される様は、とても親近感を覚えました。
あらすじにもある通り本作は壮大な展開に転がって行くようなので、この人間味に溢れたヴィクター君が、今後どのようにしてこの物語の核心に絡んで行くのか、そして絡まれて行くのか目が離せません。
月面から始まった物語……いずれヴィクター君も自らの復讐心と共に宇宙へと飛び出し、どこかへと着地へとするのでしょう。
その着地点が一体どこなのか……貴方も一緒に見届けて見ませんか?
主人公ヴィクターさんの内に秘める感情、それは復讐です。
探索者の両親がダンジョンで亡くなってしまったことが原因でした。
ダンジョンを滅ぼす目標をたて、心技体を極める毎日。
ついに探索者登録を行いダンジョンに潜ることになりますが、そこは様々な思いを持った人たちが集まっていました。
ダンジョンを介して浮き彫りになる人間関係と裏事情、そして謎。
リアルな現実が書かれているので、ダンジョンができたらこうなるかもという説得力があります。
日常会話は和やかからシリアスまで楽しく読めますし、戦闘表現はスマートな文章かつ濃厚で勢いがあります。
私はヴィクターさんの容赦ない態度や感情が欠落したような思考が好きですね。
彼の心境がこれからどう変わっていくのか。それは良い方向か悪い方向なのか。そこも楽しみにしたいところです。
ダンジョン探索が好きな方、そしてリアリティを感じたい方にお勧めしたい作品です。
企画からのレビューとなります。まだすべての話に目を通してはいませんが、ざっくりと書かせていただきます。
まずSFと言えば途方もない設定や、凄まじいロボというようなイメージがありますが、この作品は月面探査からの異変というところから始まります。月面探査は現代の科学でも行われていることで、ニュースなどでも目にする機会があります。
この導入から場面のイメージがしやすくなっており、話に引き込まれます。描写力もそのイメージをより鮮明にさせるのに一役買っており、どんどん読み進めることができる仕上がりとなっています。
ここから先、物語の舞台がどんどん大きくなっていく中で、どのようなストーリーが展開されていくのか、非常に楽しみな作品となっています。
良質なSFとバトルを楽しみたい方にオススメです。