概要
平安時代に転生したと思ったら、そこははなんと『源氏物語』の世界。
奇妙な殺人事件の数々に、令和の大学院生と光源氏が挑む!!
【あらすじ】
大学への通学途中、トラックに轢かれてしまった大学院生、脩子(ながこ)。
彼女は何故か、源氏物語における〝藤壺の宮〟に転生してしまったらしい。
藤壺の宮といえば、光源氏の初恋の相手だ。
しかも、源氏との密通により、不義の子までこさえてしまう重要人物でもある。
源氏に懐かれることだけは、どうにか回避したい脩子。
だが、源氏には無下にしづらい事情もあり、困りものだった。
おまけに源氏は、何故かいつも事件の話を持って来ては、脩子の推理を聞きたがる。
その殺人は、物の怪の仕業か、人の仕業か──。
五歳差バディの平安謎解き譚、開幕 !!
本編 約110,00
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!藤壺の宮と光源氏のバディによる平安謎解き物語
なんの因果か平安時代、それも源氏物語の世界に転生してしまった大学院生の脩子さん。それも気付けばあの『藤壺』ではありませんか。
桐壺帝に執着され、その息子の光る君の初恋の人でもある自分。
桐壺の更衣の身代わりのジェネリック女御になる気もなければ、息子の光る君の初恋もへし折っておこうと考えます(笑)。
しかし、脩子さんの思惑に反して、幼い光る君は藤壺の宮に懐いて度々訪れてくるのです。そこへ事件が起こり……。
物語の藤壺とは全く正反対のはちゃめちゃな宮様である脩子さんと、なぜかそんな宮様と気が合う光る君。二人の掛け合いがとても楽しいです。ショタおね好きにはたまりません♡
もちろん、ミステリーと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!主人公と一緒に源氏物語の世界を体験できる傑作
この作品、めっっちゃくちゃクオリティが高いです。
これほどの小説を無料で読んじゃっていいの? とすら思います。
時代考証がしっかりしていて、源氏物語や平安時代について深い知識があって書かれていることが窺えるような描写でありながら、あえて本来の世界観とは外しているようなところもあって、しっかりエンタメとして昇華されているところがすごいです。
おそらく、この作品の筆者様は様々な点に注意を払った上で執筆されたんだろうと思います。
主人公が現代の日本から転生した人間なので、語り口調が現代的ですらすらと読めるのに、作中に出てくる単語とか他のキャラのセリフとかがしっかりと平安時代を感…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私自身が理不尽を受け入れたくないんだ。そんな平安ミステリー
私だけが知っていることなんて、随分と限られている。
ただ私は、この時代の人より、『それは、本当に理解できない事象なのだろうか』と、もう一段深く考えることに慣れている。それだけだ――。
「脩子(私)の生還は、きっとエビの煎餅がエビに戻るのと同じくらい、絶望的だったに違いない」
そんな独特な表現を使う専攻・『日本古典文学』な元大学院生は、平安時代に転生していた。
公衆衛生はハードモード、娯楽はくずし字読みづらすぎて漢籍、周囲にはキレッキレの小言を言うばあや的存在な命婦。そして名前なんてあってないような、超ブレブレの個人名の表記。
しかも故人である寵妃の身代わりとして、帝に後宮に上がれと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私、光源氏にときめいたの、初めてかもしれません。
『源氏物語』とミステリー。
どちらも好きなので読んでみたお話ですが、大変面白かったです。
だって、『源氏物語』の世界に先帝の女四の宮──つまり「藤壺」として転生してしまった令和の大学院生が、その運命を回避しつつ、当時の考え方では「物の怪」の仕業とされてしまう殺人事件の真相を解き明していくストーリーで、しかも、彼女のもとに事件の話を持ってきて一緒に謎解きするのがなんと、『源氏物語』の主人公・光源氏なんですよ。
クセのあるヒロインとあざとかっこいい (かわいい) 年下男子の掛け合いが楽しく、本来の展開とは異なるルートをたどるふたりの行く末もすごく気になりました。
『源氏物語』をご存知の方は…続きを読む