人間の認知や行動を、簡単な一文では済ませず無駄なく表現されており、丁寧な情景描写に恐れ入りました。たった一話のなかに多くの教訓が詰まっていて、国語や道徳の教科書に載っていてもおかしくないくらいの純文学作品です。何度も咀嚼し味わい尽くしたい👏主人公の最後のセリフは、心の深い部分を温めてくれました。
主人公が立ち寄るうどん屋さんでおにぎりを注文すると、その中には一筋の魚の骨が。店側に言うべきか迷う主人公の心を押し留めたのは何気ない風景で……。魚の骨、をテーマに据えて描かれるのは人々の関係性。穏やかな筆致でそっと描かれるその風景は決して押し付けがましくなく、上品ですらあります。そして読み終えたあとはきっとおなかが空いているはず……。落ち着いた気持ちになれる作品、おすすめです。
行きつけのお店は、破格でご馳走を振る舞ってくれる。 いつもの幸せを満喫する私だったが、そこに招かれざる客が…… 全然悪くない。むしろ良いはずなのに、なぜかモヤモヤする。 穏やかな日常生活にチクリと刺さる現代ドラマ。・ 良い意味で微妙な作品でした。 激しい感情とまではいかずとも、こういう体験をするとモヤモヤするもの。 葛藤の末に渋々受け入れる感じが、前半のイキイキした描写も相まって 日常生活の一幕を克明にドラマにしています。
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