これは主人公含む多くの人々が友達や家族等の愛する人を、そして世界を守るために奮闘する物語。良さは「とにかくまっすぐ」な所である。
展開や世界観・設定などは「王道異能力ファンタジー」と「作者の好み」を織り交ぜたストレートな作風であるが、なかでも特に好きな点は「キャラ達の描き方」である。
この物語は登場人物の多くに自己を厭わない「様々な形の想い」が描かれる。中には「ベタでクサい」「薄っぺらい綺麗事」。人によってはそう思えるほどの眩しいものも多くある。しかしそれが作者の芯ある思想が感じ取れるほどに、愚直に描かれている。「綺麗事と揶揄されることでも真剣に実現させようとするのってカッコ良くね?」という作者の思いを感じるとこがとても良い。
総括すると、所々荒削りな部分はあれど昔ながらの特撮や少年漫画を思わせるようなストーリ性はweb小説では珍しく面白い。そして「作者様の美学」みたいなものが至る所から伝わってくるのが楽しい。
間違いなく熱量がある作品なので一読の価値ありです。