■あらすじ
退魔師である白月家の不義の子として生まれた真桜。
強い結界を張る「結びの力」に目を付けられ、白月家に迎えられたものの、逆らえば離れて暮らす母の命は無いと脅され、功績は全て異母姉に奪われる日々を過ごしていた。
しかしある日、真桜は厄災を呼ぶという「禍ツ神」が封じられている祠を壊してしまい……？
全48話。
人と神、そして妖たちの織りなす切なくも優しい“縁”の物語です。
■おすすめポイント
（１）ヒロインのかわいらしさ
この物語の魅力の一つは、何と言ってもヒロイン・真桜のかわいらしさ！！
おいしいものをお腹いっぱい食べさせたくなるかわいらしさがあります。
健気で、人の痛みを知り、その痛みにそっと寄り添ってくれる、芯の強さと優しさは、良き縁を導き、悪縁を立つこの物語にふさわしいヒロインと言えましょう。
その幸せを応援したくなります。
（２）禍ツ神様
始まりは所謂「祠壊しちゃった」系ファンタジーとでも言えようかと思います。
その祠から現れたるは、300年ほど前に封じられたという禍ツ神。
七、八才くらいのかわいらしい少年。
その愛も、神様級（笑）
圧倒的な力を持ち、真桜の父や異母姉の力をあっさりはね除けてしまえるのに、
真桜の言うことはすんなり聞いてくれちゃうのはキュンキュンポイントですね。
少年姿も良いのですが……詳しくは、本編を読んでご確認下さい！
（３）すっきり爽やかな読後感
お話が進むごとに、様々な縁が広がり、
人と人の結びつきが奇跡を起こす。
そんな、優しく、心温まる物語。
サブキャラ達も魅力的です。
是非ご堪能下さい。
■こんな方に
☑心温まる和風ファンタジーが読みたい方
☑神や妖と人との愛の物語が読みたい方
退魔師の家系である白月家。結びの力を使って妖などを退けていました。その主人公の真桜は不義の子として生まれました。故に、あらすじにある通り家の身内からいい扱いを受けておりません。そんな彼女は禍ツ神が封じられている祠を誤って壊し、神様を解き放ってしまいます。しかし、その神様は禍ツ神と思えないほどの人柄でした。
禍ツ神となった彼の経緯、真桜に取り巻く環境。どれもが切ないですが、周りの優しさや仕事や事件の解決を経て、少しずつあったかくなって行きます。
その二人の交流や思いはときめくものだけではなく、思いやりあるもの。
和風恋愛ファンタジーがお好きな人におすすめできる作品です。
神の伴侶に選ばれた少女が、手にした力と優しい心根を持って世直しをしていく恋愛作品です。
主人公である少女は、それなりの名家出身でありながら愛人との間に生まれた娘。
望まれているのは身に宿した力だけであり、物心がついた頃には虐げられる毎日でした。
彼女の役目は悪神の封印を保つこと。
しかし、とある事故の拍子に封印は解かれてしまい、神はこの世に顕現してしまいます。
けれども、そこにいたのは想像とは全く異なる姿の神。聞かされたのは、溜め込んでしまった穢れゆえに自ら封印を望んだという真実。
心優しい主人公は悲しい過去を良しとせず、穢れの浄化に協力することを誓います。
そして、そんな主人公にずっと惹かれていた神は、彼女を伴侶に望みます。
人と神、そして繋がりが薄れてしまった妖との架け橋にならんとする二人に、どんな運命が待っているのか。
ぜひ読んでみてください。
時は大正、退魔師の家に生まれた真桜には「結びの力」があった。
その指先から紡がれる赤い糸は結界を張り、魔を退ける。
しかし不義の子である彼女は虐げられ、その力さえも奪われる日々を送るうち、人々に災いをもたらす『禍ツ神』の祠を壊してしまう。そこに現れた禍々しくも神々しい存在、本当の「結びの力」とは――――。
真桜ちゃんは控えめで慈愛に満ち、相手が人外の妖であっても分け隔てなく接する優しい女性。ただその生い立ちからか自分に自信が持てず、なかなか一歩が踏み出せません。そんな彼女は優しさと結びの力を手に、人と妖の架け橋となれるのか。
もふもふ毛玉、魔狼、黒猫、可愛らしく健気な妖たち。極めて個人的には甘味好きの男の娘！
美しい和風ファンタジーの描写と併せて、是非ともご一読ください。
「結びの力」を持つ真桜。
母から引き離され、白月家の家族から霊力と手柄を搾取され続ける真桜は、「禍ツ神」の祠の結界を張り、掃除していた。
そんなある日、妖怪を家族の暴行から庇った真桜は、その時に祠を壊してしまう。
そこから現れたのは、まだ子どもに見える美しい神だった。
神の名前は暁翔。夜明けを体現したような彼は、祠の中で真桜をずっと見ていた。
真桜の頼みを聞いて静かにしていた暁翔だが、とうとう真桜の待遇を見かねて行動する。
「俺と契りを交わし、花縁（はなよめ）となるのだ」
白月家から真桜を連れ出した暁翔は、幽世の天渓谷へ。
美しい和風世界の描写と、真桜を想う暁翔。孤独だった真桜の心がほぐされていく。
真桜が持つ「結びの力」は、この物語で、果たしてどんな役目を担うのか。