読み終わったあとに、これジャンルでいうとホラーなのか…?と思うくらい、美しいと思える物語でした。奥深いのに簡潔に描かれていて、短編にしておくには勿体ないとすら感じます。狂気的で美しい"禍々しさ"でした。
『詩』は、時に人の心に豊かさをもたらして支え、時に悲しみで心を粉々に砕いて狂わせる。『骨』は人を内側から支え、最後は砕かれて骨壺に納められる。そしてどちらも、人が死んだ後も残り続ける。詩人の魂を宿した骨は、手にした人に何を望むのでしょう。詩と骨が残っても、満たされない思いがあるのかもしれません。ぜひ、読んでみてください!
骨…という異様な雰囲気をふんだんに盛り込んでいるからこそ、恐ろしさを引き立てているストーリー。ちょっぴり怖い…でも惹かれずにはいられない…ホラーの醍醐味ですね。作中の「言葉は骨だ。人を支え、砕き、そして残る。」この言葉も、芯があってとてもいい。骨の題材ながら、まるで玉手箱のような…それは手に入れてはいけない、聞いてはいけない、甘い呪いなのかもしれません。この白い骨が、いったいどういう経緯でここに来たのか…語られていない過去を想像させられます。ぜひ、魅力的なお話を隙間時間にご堪能ください!
ホラー小説といえば、廃墟にいた霊や地縛霊の話やそういった単純なものを思い浮かべると思いますが、詩人の指の骨っていう誰も思いつかないような題材にしたのは、新鮮ではありました。主人公の指の骨も骨董屋にいつかは売られ……そんなループが続いていくだろうと考えてしまう斬新なホラー小説だとおもいます。
ストーリーが短いながらも、めちゃくちゃホラーな雰囲気が伝わってきて良かったです!
読めば読むほど話の内容に吸い込まれるようなストーリー。短編で続きが無いのが残念。
最後の一文がとても良かった!
言葉選びが面白く、続きがあればもっと読みたいと思った!
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