なんという“ダメ勇者”の愛しさでしょう……読むほどに、平野の等身大すぎる心の声と、願いが力になるスキルのギャップが斬新でクセになります。現実逃避の天才・平野のグダグダぶりには思わず共感しつつも、いざという時の勇気や人情が不思議と胸に残ります。
口だけの保身と偶然の活躍が綱渡りのように絡み合って、心をくすぐられます。格好つけようとしてボロが出るのに、結果だけ見れば“ちゃんと勇者”をしてしまっているという皮肉な構造がまたたまらない。アイナの辛辣なツッコミと、周囲からの勘違いによる称賛の嵐のコントラストも中毒性高いですね。
次こそ本気を出すのか、またご都合の偶然が転がり込むのか——だけどどんな未来でも目が離せない。転生ファンタジーが好きな人も、コメディ重視の人も、必ず刺さる“だらしなさの快感”がここにあります。続きを読むの、すごく楽しみです。