生まれてから二年毎にみる夢の中で聞こえる少女の声。
それはこれから先におこる出来事の予知。
その声に導かれるように出会う人々に、主人公トリシアは自身の最善と思う言葉をかけ友となっていきます。
はじめは彼女を助けるかのように思えた夢の声は、しだいに正体を現し始めて……。
取り憑いた夢に負けずに努力をかさねるトリシアと、そんな彼女を助けようとする友人たち。
夢のお題からこんな物語が生まれるなんて思いませんでした。
ちゃっかりトリの降臨もさしこまれていてスゴイです。
主人公の成長を追った恋愛ホラーファンタジー、最後は甘い恋の予感♡
短編ですが、その後も知りたいな〜と思わせる物語です✨
物語はタイトル通りなのですが、シナリオ通りになんとかしようと画策する、まだ転生していない、いわゆるプレイヤー。
そして、毎度(毎年)夢にうなされるヒロイン。その囁きに負けず、努力をし続け、信じる友を、愛する人とめぐり逢うまでの物語。
今年、KAC最大の難問とも言える課題「あの夢を見たのは、これで9回目だった。」を丁寧に描きながら、同じくKACの課題「トリの降臨」も違和感なく、入れ込んだ本作。それが、物語として、とてもナチュラルなのが凄すぎます。
短編なのに、長編を一冊読んだかのような、読後感!
ぜひ、この贅沢な作品を堪能してください。
ありふれた物語をぶっ壊すのは、ストイックなまでに一生懸命なヒロインの姿。それは、読んでいる貴方自身の姿絵なのかもしれません。