主人公は、9回も同じ夢を見ている。
その不安の種は、進学、学業に対するものだ。
仕事をしながらなぜ学校に……? ともいながら頁を進めれば、
どうやら呼び出されたのは主人公というより、主人公の子供だということがわかる。
自分の話になってしまうが、ここのところ自分も似たような夢を『多々』みる。
同じような、自分だけ準備が間に合ってなくて焦るという夢だ。
なぜこのような夢ばかり見るのか調べてみると、やはり根底にあるものは不安だからなのだという。
なぜ、不安は拭い去れないのだろう? 一つは、人間は適度なストレスがないと脳に刺激が足りないから、ということもなくはないのだろうが、
我々が住んでいるのは日本だ。
寝坊せず挨拶ができれば会社をクビになることもなく、
クビになったとしても政府が何とかしてくれ、
物価が高いといっても松屋の牛丼だけ毎日食べれば生きていけないこともない飽食の世に。
それは、日本という国は、資源がなく、
他人の不安や不満のみが誰かの飯の元だからではないだろうか?