概要
──その終わりに祝福を、キミの始まりに花束を
【カドカワBOOKS10周年記念長編コンテスト中間選考突破!!】【1万pv感謝!!】
世界を救った勇者の息子。それがロアの肩書で──全てだった。
世界にとってロア・ムジークは勇者の代替品。それ以上でも以下でもなく。ロア自身もその日常を受け入れていた。
ある日、ロアが自身の無力さに打ちひしがれていると、女性の声が響く。
「──ボクに、君を救わせてくれないかな」
その言葉が少年の人生を大きく変える。
※【週5更新】月、木休みです。
※日曜は早朝6時。
世界を救った勇者の息子。それがロアの肩書で──全てだった。
世界にとってロア・ムジークは勇者の代替品。それ以上でも以下でもなく。ロア自身もその日常を受け入れていた。
ある日、ロアが自身の無力さに打ちひしがれていると、女性の声が響く。
「──ボクに、君を救わせてくれないかな」
その言葉が少年の人生を大きく変える。
※【週5更新】月、木休みです。
※日曜は早朝6時。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ただ英雄の息子であるだけの少年はボクっ娘(大切)魔女と出会った。
主人公は世界を救った英雄の息子です。薔薇色の人生が約束された境遇。しかし、主人公の心は常に曇天のように、常に沈み切っています。周囲は主人公に、父親と同じような才能を期待していますが、彼自身は自分にはそんな才能はないと理解しているのです。父親のことを尊敬しながらも父のようになれない自分への失望。自尊心と自己有用感の欠如は、周囲への苛立ちへと変わります。そして、自分のことが更に嫌いなる無限ループ。彼の不幸は父のような才能がないことではなく、そんな自分を客観視できてしまう頭の良さにこそあるのでしょう。
そんな鬱屈とした日々の中、彼は一人の魔女に出会います。藍色の髪のボクっ娘(大切)魔女と。彼女…続きを読む - ★★★ Excellent!!!緻密な少年の描写に、心がキュッとなる
父親が勇者という特殊な立場の主人公の歪んだ心情が、細やかな言葉と表現で丁寧に描写されているのがとても良かったです。
主人公ロアは、齢6歳にして、自分の立場を理解し、努力も惜しまず、武術の才能も、ロジカルな思考もある。
言うなれば、かなり老成したギフテッドですが、大人以上に斜に構えていて、何事にも悲観的であるという心のアンバランスさが目立ちました。
ひどい虐めを受けてるだけでもなく、周り、特に家族からは惜しみない愛情を受けている傍からみたらかなり幸せな生活を送れている筈なのに、どこか拭えない不幸感を抱いているのが印象的でした。
なんでもないけど、どこか不安で、何かがつらい、という、誰もが抱…続きを読む