ガード下の歌うたい

短いけれど一行一行に込められた意味がある。
さりげない会話や景色の裏に、不器用に生きる者の悲哀と誇りがにじみ出ている。
外側の綺麗さばかりを求められる上昇志向の社会の中で、汗にまみれた彼らの存在がどれほどの人々の視界に入っているだろうか。この作品はそのように読者に問いかけてくる。ひとりひとりの人間にそれぞれの過去があり、必死に生きる現在があることを思い起こさせる。
歌うたいの声は、今日も社会を支える名もなき者たちへ贈られる、ささやかな人間賛歌のように感じた。

こふい様
相変わらずの詩人さんです👀♪

不器用な人々のそれぞれの生きざま。
現場から帰るふたりの労働者。
独りは高齢で独りはどこかわけありな感じのする彼ら。
お互いに別れたあと、自らの過去を想いながら、路上でギターを鳴らすひとりの歌うたいの声に耳を澄ます。

このお話を読むと、斉藤和義さんの『歌うたいのバラッド』を思い出しました。
歌の中で、サビ前に
『本当のことは歌の中にある』
という歌詞があります。
そして、サビで
『ずっと言えなかった言葉がある
短いから聞いておくれ
「愛してる」』
う〜ん、沁みる👀

こふいさんのお話を読んで、斉藤和義さんの歌を聞くと、相乗効果でスッゴく沁みます。
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愛しいんですよ。
作品に流れる空気も、誠一という男性の哀愁も。
切ない男性の後ろ姿にね、私は惹かれるんです。
短い物語ですので、是非ゆったり味わってみていただきたいです。

地の底を歩くような苦い日々を過ごす彼にだって、見上げれば月は見える。

耳を澄ませば、歌が聞こえる。

この話は、忘れたくないお話です。