最終話まで読了しましたのでレビューさせていただきます。
まずキャラクターが生き生きしているのが素晴らしいです。真っ直ぐ王道系の主人公・マークに、口が悪く喧嘩っ早いけれども強くてカッコいいデューク、一見女好きの軽い奴と思いきや内に秘めたものは熱いテレンスのメイン三人は勿論、彼らの相棒とも言えるルシファーやイグニスなど、登場人物みんながキャラが立っており、それだけで物語に引き込まれます。
ストーリーも人間に寄生する謎の生命体を軸に分かりやすく展開されていて、バトルあり、陰謀あり、謎あり、コメディありとまさに良質な少年漫画を読んでいるような感覚を与えてくれます。
第二部も構想がおありなようですので、楽しみに続編を待っています!
当作品の『風斬りのドグマ』、まず文章の完成度が素晴らしいです。
読者の方々に向けて、ストーリー・テーマ・人物描写のいずれも分かりやすく伝わりやすく、
いつもするすると読み進めていくことができるように言葉を選びに選び抜いて構築されています。
もう全編に渡って、作者様の読み手に向けてくれる優しさとあたたかな心遣い、
そして物語への愛が煌めいています。本当に凄いです。
ストーリーと登場人物たちも魅力と面白さが溢れるくらいにいっぱいで、
楽しい時には胸いっぱい、元気いっぱいに楽しくはしゃいだり、
時に恐ろしくつらい事態、厳しい事態に直面しても、
決して生きる意志を失わずに、未来への飛翔を続けてくれます。
その最先鋒が主人公・マークであり、
彼の優しさと生きる意思、決して諦めない覚悟はやがて絶望的な人類の外敵をも……!?
いやいや、決して荒れ狂う力のみで打倒するとは限りません!
マークの人間力、”生きる強さ”は戦いのみに留まらず、
それこそ空と雲の間へ豊かに流れる風のごとく、
世界をも巻き込む飛翔と上昇、そして希望ある新天地(場所としても、それぞれの人々としても)への到達を見せてくれるのですから!
本作品はどこも通して、すっごく素敵で爽やかなファンタジーの傑作ですので、
ご興味の湧かれた方は是非ともご一読なさってみてくださいませ~!
(P.S. 完全に私的な余談ですが、作者様である島村 翔様は、
ひょっとして”ドラゴンズドグマ”シリーズをご存知なのでしょうか……?
タイトルや物語の雰囲気から少し連想しただけなのですが、
同作は私も大好きなシリーズですので、個人的にですが気になりました!
本題から外れた余談を、誠に失礼致しました。)
黒い侵蝕生命体(ヴァルクラル)という存在。それは、人類にとって味方か敵か?
風帆(ウィンドキャッチャー)という道具を使い、風を利用することができる少年マーク。マークに限らず、それは村に伝わる伝統・文化のようなものだった。仲間とともに、村で育ったマーク、しかしある時、人生を変える出来事が。
作者の方はアレクサンドル・デュマの「三銃士」が好きとのことで、「三人」という構成にこだわりが感じられます。主人公が出会っていく仲間とどう協力し合って困難に立ち向かうのか? そして、黒い侵蝕生命体(ヴァルクラル)がどのように主人公たちに関わっていくのか? 完結まで目が離せません。
かつて故郷を襲った謎の侵蝕生命体「ヴァルクラル」。その脅威に唯一生き残った少年マークは、仲間との約束を胸に、伝説の部隊「ガルド・ロワイヤル」を目指すため、悲痛の思いを抱えたまま村を後にすることになる。
そして、戦争で故郷を失った者たちが作り上げた隠れ里のような砦、「竜嶽城」にたどり着いた……
そこで彼は、謎を秘めた老人と出会い、剣の腕と“覚悟”を叩き込まれる。
しかし、故郷を襲った悲劇は、過去だけの話ではなかった……
徐々に迫りくるヴァルクラルの影、そして敵対関係にあるプロクサス帝国からの刺客。友情、師弟愛、そして試練。村の教えを唯一引き継ぐマークは、剣を手に立ち向かうことを決意したのだった……
この物語は、孤独な少年が運命と向き合い、真の英雄へと成長していく姿を描いた、壮大なファンタジー巨編です。
個性豊かな仲間たちとの出会い、友情、そして別れ。彼らが織りなす感動的なストーリーは、読み手の心を強く惹きつけます。
剣と異能、そして「風」の力を駆使したスリリングなバトルシーンも必見です。
ぜひ、マークと共にこの物語の世界を冒険してみてください。
最新話まで読了したので書きます。
故郷を失った少年がかつての仲間たちと誓った夢を胸に邁進する王道を軸としながら展開される物語です。
この物語において重要となる要素は「風」です。爽やかさを彷彿とさせるのがこの言葉ですが、この物語から伝わってくるのは「若さと熱さ」の双方です。何もかもを失って絶望に落とされようと、容赦のない真実に打ちのめされようと立ち上がる姿に出会った人々を巻き込んでいく。強いエネルギーを伴いながら進んでいく姿は何処か「嵐」を思わせます。
そして、他の作品とは異なる要素となっているのが、村を滅ぼすことになった原因です。こちらはネタバレになるから書けませんが、得体が知れない恐怖が忍び寄ってくる感覚は先述した「若さ」とは正反対にある「老獪」の要素であると感じます。正体をひっくるめて動向が気になります。
王道ストーリーをなぞった作品ですが、少し異なるテイスト。張り巡らされた伏線がどのように回収されるのか楽しみです!!