今作品が聖女物作品での特異性として、人が魔法を使う源を供給する魔法樹の存在とそれの生命維持を担う聖女の関係を描いた世界観。しかも枯ゆく魔法樹の後継の若木は、人の形を成し、乳幼児の姿でヒロインである聖女から魔力を分け与えられることで成長し、聖女を母親の様に慕う描写にホッコリさせられました。
また、ヒロインを完璧な聖女像とはせず、孤児院出身という食事を満足に貰えていない状況から自生する草花を食する野生味を身に付け、聖女となり満足する食事を得られるとより職務に励むも、嫌がらせの食事抜きでの悲壮の場面には哀れみを抱いた次第です。特に空腹の余り、隣国の王太子との初見では、王太子の瞳が食物に見え王太子の顔に口を付ける件は、滑稽より哀愁を感じました。