瑠璃光院秀和さんの『ミトラの指輪』――まだ序盤だけですが、とても面白く読み始めました!
舞台は西暦203年、ローマ帝国の辺境トラキア。主人公マクシミヌスは市民から英雄視される総督で、彼と名軍師ラーマクリオスとの密会から物語がスタートします。重厚な歴史的背景、ローマと属州の緊張感、そして剣や酒場のやり取り、時折ユーモラスな会話などがリアルに描かれ、古代世界に一気に引き込まれました。
特に、密約や政略結婚を巡るやり取り、英雄たちの苦悩と野心、それに市民や女性たちのしたたかな生き方など、登場人物が生き生きと描かれているのが魅力です。歴史ものとしての緻密なディテール、複雑な権力闘争、人間関係の妙――どれを取っても丁寧で、読み応え抜群!
また、ルフィアやラーマクリオスといった脇役も個性豊かで、会話のテンポや心理戦も小気味よいです。
今後、どんな陰謀や波乱が巻き起こるのか、とてもワクワクしています。
歴史小説好きの方、ローマ時代の雰囲気を味わいたい方には特におすすめしたい力作です!
この先の展開にも大いに期待しています。
ローマ帝国というと、共和制〜五賢帝辺りが有名だと思われる。また、ローマの領土についても、世界史の授業などでそうそう詳しく語られることは無いだろう。
この物語は、ローマ帝国における軍人皇帝時代のはじまりの時代、そしてこの時代のブルガリア辺りを舞台にしている。
なんて言うと、難しく聞こえてしまうかもしれないが、話自体は人物の会話も多くわかりやすい。そのうえ、この時代の文化や用語についても必要なものは作中で簡単に説明されるし、特に知識がなくても楽しめる。
ローマ帝国ってどんな感じなのだろう? ときになったら、気軽に読んで頂きたい作品。