「奴はとんでもないモノを書いてしまった(銭形警部風)( ;∀;)」
さて、こちらは【カクヨム短歌賞10首連作部門参加作品】となります。
全体を通し「調べ」としては、三句切れから変意される歌が多く、読み易く安定した作風で構成されており、歯切れの良さがそのまま勢いとなっております。
現代短歌の傾向である一端として、内省する「私性」をテーマに詠われておりますが、突き抜けるような衝動を表現する事で、内側に進まず逆説的な力強い「読み手」へのメッセージを獲得するに至っております。
私個人として立論するには、甚だ知識の欠落が損じておりますが、恥と叱りを覚悟して論述させて頂きますと、現代短歌における「マスターベーション」化を危惧する所であり、その内包する意識として、「効率的なタスクとして、テクストを集積する」という所為にあります。これは文学においても発症した病例でもありますが、AI的思想と言えば分かり易いかと思われます。前衛さに拘るうちに、初動を忘れ効率的パズルになっている一部現代短歌に、原点回帰を促したいと思うモノでもあります。
転じて、こちらの短歌を拝見致しますに、瑞々しいまでに「がむしゃらに叫んで」おり、それが十代の様なロマンチズムではなく、相対的な年齢を幅広く獲得するに及び、「ブレイクスルー」を果たしていると結論致しました。力強い言葉に溺れる事無く、個性を思想で示すと言う至極真面目な観点から詠まれており、「人柄こそ短歌」とお伝えしたくなるものです。
お勧め致します。
生々しき無垢な言葉、怒涛の疾走感、伝わり残るこの熱い感触、今一度書かせて頂きますが「人柄こそ短歌」と言える素晴らしい歌だと思いました。
皆様、宜しくお願い致します。
※連作ゆえの仕掛けもございます。お楽しみ頂ければ幸いです( ;∀;)