替え玉にされた主人公の行く手には、いくつもの困難が待ち受けているでしょう。でも知れをどうやって切り抜けていくのかが楽しみになるような小説です。面白いです。
馬係の賤民が、急死した藩主の身代わりに――という導入は、時代物としてはありふれた、忌憚なく言えば手垢にまみれた展開でしょう。 しかし、名前に漢字すら充てられなかった主人公・キョウスケの誠実・聡明な人格に、作中の人物ともども引き込まれていきます。 彼がどのようにプロローグで書かれているような名君となるのか、正室・結と実(まこと)の夫婦となっていくのかが楽しみです。 できれば完結後、もう一度プロローグを読み返した時、奪われた名に充てられた漢字が祝福であることを噛みしめたいと思います。
下男が一夜にして上様に!その適応能力が半端ない!波瀾万丈のストーリーと繊細な心の動きに注目して、読ませていただきます。