独特の発想と、勢いのあるフレーズに、読者は驚きを禁じ得ないでしょう。並大抵の才能ではないことは、スキップのように弾む言葉たちを読めば、誰もが感じるに違いありません。短歌の素材の幅広さ。イメージの展開の鮮やかさ。どれも一級品です。天性のの向日性の薫り立つ短歌集。推し短歌2首。ミモザ あのとき言えなかった花言葉みたいな秘密 ビールの泡はいチーズ! 可愛いって言われたときの柴犬パイセン 花畑
短歌集です。どんな短歌が多いかというと……。例えば、ビールを前にした時と思しき一首。夕方、雨が降りそうな天気の時の一首。バンドか何かのオーディションだったのでしょうか、Fコードが弾けた「きみ」への羨望を詠んだ一首。さまざまな場面があります。さまざまな感情があります。きっとお気に入りの一首が見つかるはずです。だってカラフルな琥珀糖のつまったお菓子箱みたいな短歌集ですから。僕のおすすめは「ピコピコ早歩き」です。素敵な歌集、楽しんでください。