爪未満という不思議なタイトルに惹かれました。日常の小さな気づきに溢れながら、それだけではなく、イメージの展開に意外性があって、虚を衝かれる感じが楽しいのです。それは、ミステリアスと言い換えることも出来るでしょう。想像力と描写力の薫り立つ短歌集。特に面白いと思った短歌2首を紹介しておきましょう。椿という椿にひくい鳴き声があるのがきみだけの停留所空っぽの車で話し声がする名前をまぐれでも当ててくれ
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