龍が降らした雨のあと。

（あらすじ）
　小学6年生の【王階 翠雨（きみしな すいう）】は、誰もが振り返る絶世の美少年。その可愛らしい顔立ちからは想像できない鋼のメンタルで、両親のネグレストにも負けず、仲の良い兄と共に日々を乗り越えていた。
　非凡な芸能の才を、持て余しながら＿＿

　そんな翠雨が暮らす【左遷ヶ島（させがしま）】は奇妙な3つの話題に包まれている。

・みなが口にするのは、翠雨は今から約600年前、京都から左遷ヶ島に流刑されてきた天才役者【黎明 翠（れいめい すい）】の生まれ変わりなのではないか、という説。
・大人の間で囁かれるのは、怪しげな【忍法法人☆溶怪会（にんぽうぽうじん☆ようかいかい）】の噂。
・一方、子供たちが熱狂するのは、毎年【4月9日】に全国各地で目撃される【金の龍】の都市伝説であった。…続きを読む