概要
帝都東京、現世と常世のはざま――神隠しの領域での人探し
大正11年、東京帝國大学文学部の学生で亡くなった父の跡を継ぎ神社の宮司をしている宮守馨は、医学部法医学教室助手の高麗から神隠しに遭った婦人を探しているという学生を紹介される。
子供の頃に神隠しに遭って行方不明になった妹を探し出したことがある馨は、周囲からは神隠しに遭った人を探すことができる神主であると勝手に期待されていた。
人の失踪のほとんどは神隠しではなく事件か事故か本人の意志によるものだと考えている馨だが、神宮皇學館本科時代の同級生で現在は東京美術学校生で霊が見える結城嗣とともに人探しを始める羽目になる――。
子供の頃に神隠しに遭って行方不明になった妹を探し出したことがある馨は、周囲からは神隠しに遭った人を探すことができる神主であると勝手に期待されていた。
人の失踪のほとんどは神隠しではなく事件か事故か本人の意志によるものだと考えている馨だが、神宮皇學館本科時代の同級生で現在は東京美術学校生で霊が見える結城嗣とともに人探しを始める羽目になる――。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!現実主義な神主と霊視能力を持つ画家、神隠し事件を追う!
大正11年の帝都を舞台に、神隠し事件に挑む宮守馨とその仲間たちを描いた物語です。
父の跡を継ぎ神社の宮司を務める馨は、子どものころに神隠しに遭った妹を見つけた経験から、周囲には“神隠しを解ける神主”として期待されています。しかし本人は、失踪の多くが事件や事故、本人の意思によるものだと考えているリアリスト。神隠し事件の調査に巻き込もうとする法医学助手・高麗にへきえきとしながらも、お金のためにはやむを得ないと話を聞くことにしたのだが、いつしか富豪の妻の失踪事件は、霊が見える同級生・結城をも巻き込んでいき……。
妹の神隠し事件を描いた冒頭描写が見事で、ぐっと世界に引き込まれます。また大正時代の…続きを読む