このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(105文字)
外に出られない少女。旅の絵描き。絵描きは少女に絵を描いて贈ります。絵描きが旅を続けているのは希望を捨てていないから――そこに救いが見えました。
浄化室の少女と旅絵師。扉の内の緑と外の風景が対照的で、終盤の反転が胸に残る。絵師の嘘は欺きでなく、希望だ。絵は現実を偽らず、まだ見ぬ希望の現実を先に描く——その優しさが痛い。