概要
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「カクヨム」でも数少ない「天才」作家さんです。断言致します。
以前、この作者先生のホラー小説『蔵の中』を読んで大衝撃を受けた人間の一人です。
既に、「カクヨム」でも、文字付レビューは300編を軽く超えた私です。
かっての「小説家になろう」でも、文字付レビューは300編を超えていました。
計、600編以上の、レビュー専の、この私なのです。
で、フト、ホラー物を書きたいと思い、アイデアが全く浮かばないので、かって衝撃受けた、この作者先生の作品を読みに、来ましたが、やはりもの凄い筆力ですね。
一気に、ホラーを書く気力が萎えた程です。
やはり、この私には、「変態エロ小説」が、似合いですよね。トホホ……。
「カクヨム」でも数少ない「天才」作家…続きを読む - ★★★ Excellent!!!露悪から枯れた境地に至れども。暗と明の強烈なコントラスト。
人魚の肉を食べると不老不死を得るという伝説は広く知られています。類似作品が多い題材を如何に「調理」するか。
冒頭の語りは醜悪そのもの。見せつけているのですから、まさしく、露悪。読者に禍々しさが突きつけられます。これは変だ。そう思わない人は居ないでしょう。
しかし途中から禍々しさが消えます。まるで枯れた境地に至ります。そこから先は、本レビューでは語りません。
暗と明の強烈なコントラスト。暗闇の中では周囲が克明に見え、日向では全てが朧気に見えるという逆理。その中で浮かび上がる、執念という情の暗翳。
短い作品ですが深く沈みましょう。そのときの息は? 貴方は人間? それとも人魚? - ★★★ Excellent!!!悠久の、そして孤独な魂の遍歴を綴った物語
雰囲気抜群。そして思わぬ形で壮大に展開していく物語に惚れ惚れとさせられました。
主人公は病に伏せる一人の男。その男のもとに行商人が現れる。
半ば腐ったような腕を示し、それが人魚の肉なのだと語る。それを食べれば死なない体になれるが、「人魚は執念深い」ために海には近づいてはいけなくなると告げてくる。
酔狂だと思って人魚の肉を口にする男。そして伝承は本当だとわかり、彼は決して死ぬことも老いることもない体に。
それから先の、悠久とも言える彼の物語が、ひたすら強く心に響いてきました。不老不死であるために帰属する社会を持てない苦悩。長い年月を生きることでめまぐるしく変わりゆく社会。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!海より訪うモノ、その由も皆目、無き事。
不治の病に伏せる男の許に、
得体の知れない行商人が訪う。市女笠に
虫の垂れ衣。濃緑色に白い小花を散らした
道中合羽。それが天秤棒を担いでいる。
両の行李からは厭な臭いが漂う。
中身は 人魚の肉 だという。
不治の病も立ち所に治し、古来よりその
肉を食せば不老不死の身となる。
行李の中身は、腐った人の腕。
これが人魚か定かではなく、又、今まさに
この目の前にある異形の男が何者なのか。
警戒もするが。
空腹には耐えかねず、いつの間にかその
腐った腕を貪り喰らう。
異形の行商人から、お題の代わりにと
伝えられた事が、ふと頭を擡げる。
この肉を食べたなら決して海には
近づいてはなら…続きを読む