概要
ひとりぼっちがひとりぼっちと出会う物語
生贄の民と呼ばれる一族「アデム」は人里離れた土地で静かに暮らしていた。しかし、獣の言葉を理解し、獣を使役できる「アデム」の血を王家に引き入れることで、王家の軍事力や神秘性を高めようと、シルド国王の命により、長い間、「アデム」の若い女を王族にめとらせる風習があった。シルド王家が使役する翼を持つ巨獣、ナムタと共に王国に嫁ぐ生贄の少女テム。その最中、少女・シアーシャはテムを救おうとするが……。
一方、狩猟の民「シュリカ」の青年・バアルは、シルド王国に攻め滅ぼされた故郷で一人、絶望するのだった。
決して交わることのない運命だった二人は一人の赤ん坊との出会いにより、大きく運命を変えることになる。
一方、狩猟の民「シュリカ」の青年・バアルは、シルド王国に攻め滅ぼされた故郷で一人、絶望するのだった。
決して交わることのない運命だった二人は一人の赤ん坊との出会いにより、大きく運命を変えることになる。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!奪われた少年と、孤独な少女――運命は空へと収束する
吹雪の大地で掟を破って狩りを続ける青年バアル。
彼が守ろうとしたのは、ただひとり家族である母の命だった。
だが、掟に縛られた村と、迫り来る戦火は、彼の願いを容赦なく奪い去っていく。
一方、空の民の少女シアーシャは、
本来聞こえるはずの「獣の声」が聞こえない落ちこぼれとして、
幼馴染たちの眩しい背中をただ見つめるしかなかった。
家族を知らず、世界の片隅で静かに泣く少女のそばにいるのは、
老いたナムタだけ――それでも、彼女は必死に空を見上げる。
「大地の民」と「空の民」。
交わるはずのない二つの世界が、やがてひとつの運命の線へと導かれていく。
これは、壮絶さと優しさが同居する、
家族と孤独…続きを読む