2005-01-02 普遍性のある「おいしい」はあるのか
元旦はニューイヤーパーティーなるものを開いて、お節料理というよりオードブルだなそれはという代物をこしらえて振舞ってみた。日本のものを食べなれている人にとってはおいしかった(と思う、思いたい(^.^;;)が、そうでない人にとっては、毎年思うのだが、これってやっぱり、一見さんがあっさり「おいしい」という食べ物群とは言えないよな、ではある。
つまり、豪華な肉料理ってわけではないから、慣れ、もしくは習熟のいる味だなと思う。醤油味、海藻、魚類を使用、多くは野菜、それも根菜類といのはこのでの日常においしいと言われるものたちとはかなり傾向が違う。昔東京に住んでいる時、いわゆる西洋人のガイジンが、お節料理のことを、たいていの場合みんなおいしいものを食べているのに、なんでわざわざおいしいとは思えないものを大量に作るのか、と言ったことがあった。当然まわりの日本人を憤慨させたのだが、この指摘はそうそう誤りとばかりはいえないのだろうと思う。ついでに言えば、私の父はまったくの日本人だが、お節料理は早めに切り上げてもらいたい派だった。別にうまいもんでもない、と言って憚らず、元日の朝食えばもういいにしないか、と言っては母を怒らせていたものだった(今年の見解はまだ聞いていないのだが)。単純にいえば、お節の本義はうまいものを食う、にはないわけで、それぞれの意味付けを食っている、みたいなところがあるから、これはこれで仕様がないのだろうが、昭和のはじめの生まれの父にまでそう言われる代物なのかなと思うと、若い人などには殆どまったく不評なのだろうかとも考えられる。どういうものですか?
とはいえ、ここで見る限り、多くの人はどんな料理でもそれがある文化を体現しているとなると興味深く食べてみたくなるらしく、今回も、これが日本の料理であるようだ、というところから興味を引いたものらしく、結果的には喜んでもらえたようで私としては安心したし、うれしかった。で、私の体験としては、ここまでのところは常にできるだけ日本風のものを正しく作ることを心がけていたのだが、もう一通り知り合いに知ってもらったところでは(場合によるわけだが)、そういうことではなく、集う人の最大多数がおいしいと感じられるものにアレンジしていこうかな、などと思ったりもする。しかしそうすると、その中に日本の人がいたりすると、それは正しくないってことになるのでそれもイヤだったりもする私がいる。このへんが悩ましいところだ。
普遍性のある「おいしい」と、個別の「おいしい」のどっちを行くべきなのか。なんとなく、これもまた1つのグローバルな世界にとっての問題なのだろう。
■ 津波被害で5億ドル無償支援
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050101-00000043-mai-pol
政府は緊急支援措置として5億ドルを限度とする無償協力を行うほか、インド洋地域の津波早期警戒メカニズムを速やかに構築するために18日から神戸で開催される国連防災世界会議で特別セッションの設置を提案し、自衛隊の航空機、艦船、人員を活用した追加貢献の実施も早急に検討する。
どう考えてもそれは必要なことなのだ、ではあるのだが、外地に自衛隊が出る、人員を活用する、という事がこんなに望まれ、当然視されるというのも、ちょっとこう、へんな感じはする。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050101it03.htm
なにがなんでも俺のプレゼンスってことなのだろうなぁ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041231id25.htm
■ マツケン紅白と大河ドラマ
コメント欄で異能生存体きこりさんがマツケンの紅白登場について書いてくださっていた。さぞやさぞやだったでしょう、やはり、とニマニマして想像。これだけは見たかったなぁ。で、はてなのキーワードを見ると、ずらずらとマツケンに言及しているサイトがあがってくる。やっぱりこう、かなり注目度は高かったわけだ。そうだろうそうだろうと再度ニマニマ。で、この人のキャラって、でもさ、昔は北条義時、その後暴れん坊将軍と、時代劇の役がとりわけ印象的なわけだが、どこからこう笑い系にスライドしてきたのかと考えてみれば興味深い。
北条義時の「草燃える」はすごく出来のいい大河ドラマで、今でも義経といえば国広富之の顔を思い浮かべる人は少なくないのではなかろうか。政子の岩下志麻、頼朝:石坂浩二、北条時政:金田龍之介、頼家:郷ひろみ、実朝:篠田三郎と、キャストもかなり相当よかった。これはもう一回見る価値がある。
しかし私の大河ドラマ観劇史上の最高位は、なんといっても、誰がなんといっても、「花の乱」。しかしこれは放送されている時から視聴率の低さが話題になったほど人気がなかった。今見たところでは、歴代最低らしい。すごいなこれ。応仁の乱のあたりが原因なのだろうか。出来はもの凄くよかったと今でもしつこくそう思うんだが、私は。
http://www.videor.co.jp/data/ratedata/program/03taiga.htm
大河ドラマのデータベースを作ってらっしゃる方がいらした。これは便利。
http://www.asahi-net.or.jp/~JM5H-KTKW/
ところで、異能生存体きこりさんは、初詣で靖国神社に行かれたそうだ。おそらく、今年は例年になく混んでいたのだろうなと思う。東京圏では、地元の神社ってのに心当たりのない人は多く、その人たちを集めるのは普通明治神宮と相場は決まっていたと思うのだが、どうせ行くなら靖国という感じになった人が多いのではなかろうか。東京の1つの風景として、こういうお話を読ませてもらう(お写真も)のは私にはとても嬉しい。ありがとうございます。今年もどうぞよろしく。
# kikori2660 『あけましておめでとうございます。
>元日の朝食えばもういいにしないか
自分も学生時分はそのような事言っていました。でも年を重ねるにつれ、おせちがすごく貴重な食文化のような気がしてくるから不思議です。これが伝統という奴なんでしょうか。それでも高い割には美味しいとは思えないカズノコや作るのに手間のかかる黒豆をあえて食べたいとは思えないんですけどね。毎年、うま煮は気合入れて作ってます。あ、あと紅白のマツケンサンバは最高でした。あまりステップの練習は出来ませんでしたので、TVの前で一人ドタドタと踊ってました(笑)。』
# kagami 『あけましておめでとうございます。
年初そうそうアメリカのあまりに大人気無い対応に大いに笑わせて頂きました。まあ、こういうことで子どもっぽい意地を張るのならば、大歓迎なんですが…。よく、戦争がなければ軍需産業が成り立たないという話がありますが、だったら、ポトラッチでもやればいいのにな…と思いますね。ポトラッチの勝者に今回のアメリカのような国際的名誉を与えれば、アメリカはとてつもなく励みそうですよ(笑)
では、今年もご健筆を。楽しみにしております(^^)』
# Soreda 『kikoriさん、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。そうなんですよね、いくらか年を取って伝統的な食文化の枠組みが一応了解できるようになると大事だと思えるようなのですよね。黒豆などは、亡くなった祖母などは別にお正月じゃなくてもしょっちゅう炊いて食べてましたし、決して特別なものではないのですよね(特別な飾りみたいなのはあるにせよ)。それの集大成がそこにあってお正月にはその意味を確かめる、みたいな感じなのだと思うのです。マツケンサンバについては上で。そのうちCDを手にいれて私も練習したいです(笑)。』
# Soreda 『kagamiさん、あけましておめでとうございます。子どもっぽいような気もしないでもないですが、でもこういう時に外さないんだよなぁとも感心させられてもいます。イスラムがらみのテロを事実上封じてしまう可能性もありますからね、
これで。と、このへんはまた追って考えたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いします。』