私が、この話で、口上というか導入を気にするのは、プロパテント、アンチパテントの括りに 入れられるのがとっても怖いということも、理由の一つに挙げられます。 実際、高林さんの文章は、誰がどう見ても、アンチパテントの枠内に入れられてしまうと 思います。
その意味でも、ここで何らかの有益な議論を起こしたいのならば、なおさら特許自身の 事前調査が必要だと思います。正直に言って、地雷原に何も装備せずに突っ込んで 行っている気さえしますし、そういう風にみなされることが、いわゆる、 「オープンソース」の人たちのグループ(こういうくくり方は嫌いなのですが)のような 団体にとって、あまり有益ではないどころか、きわめて危険であろうことが予想されます。
ちなみに、100年以上有効であったというのは、usefulの意味ではありません。 U.S.で特許法が成立したのは1790年にさかのぼり、その間、ずっとeffectiveで あったことはそれほど疑わしい事実ではないと思います。もちろん、 usefulであったかどうかには疑義がたくさんあると思います。
「弁理士ただいま仕事中」という本はなかなか面白い。この本によると、 日本は特許権者はほとんど裁判に勝てず、アンチパテントの潮流がある。だそうだ。
ちなみに全特許中、ライセンス許諾率はわずか0.3%。つまり、他社にライセンスしたり 警告や訴訟に至るような権利行使を起こすものは、1000件中に、わずか3件。 特許というのは、大変効率が悪いことがわかる。
こんなに効率が悪いのにもかかわらず、企業が特許取得に投資する理由はなんなのか? このことはよくよく考えてみる必要がある。