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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜 - 地区大会決勝 桜見VS富永3
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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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地区大会決勝 桜見VS富永3

「今回はカウンターが何時もより決まり難いんだよな……」



 ペットボトルの水で水分補給しながら、富永のキャプテンマークを巻く八坂西は深刻そうに呟く。



「確かに俺のスルーパスを向こうのチビが完全に読んできたし。相手もこっちを研究してるって訳か」



「このままだと点が入らないし、もう少し攻撃の枚数を増やすべきかもしれない」



 長崎や釜石といった他の選手達も今の状況から前進しようと、休みながらも案を出し合う。



「攻撃の枚数を増やすなら後半の終盤にしよう。下手に立ち上がりから仕掛けて、万が一にも点を取られたら立て直しが大変だ」



 八坂西は攻撃の枚数を増やす案を採用しつつも、仕掛けるのは終盤だとチームメイト達に伝える。



「それで良いよな菊池? 相手のチビがどうもお前の動きを読んでるっぽいし」



「ああ、終盤が来る前に俺としてはゴールを叩き割ってやろうと思ってるけどよ」



 内心では何時も通り、自分だけでゴールを奪ってやろうと思っていた。


 だが、今の状況を考えると攻撃の枚数を増やさなければ、生半可なカウンターは効かない。



 菊池自身そこは理解していて彼も思いついた案を伝える。



「なぁ、後は向こう──俺の攻撃を警戒してるっぽいし、意表を突いてミドルやロングを他の奴が狙うっていう手もあるんじゃね?」



「外からのシュートか……確かに相手GKが小さいから、入り難い遠い距離が何時もより入り易いかもしれないな」



 相手GK輝羅が小さい事に目をつけた菊池は、遠距離のシュートをチームメンバーに提案。


 相手が菊池のカウンターを警戒してるならスルーパスと見せかけ、思いきったシュートを狙うのも良い。



 富永の後半に向けての作戦が決まり、彼らはフィールドへ戻る。



 立てた作戦の全てが相手の双子に筒抜けだと知らずに──。




『(輝羅、相手は菊池以外も後半から積極的に撃って来るみたいだよ?)』



『(そうだね、向こうもPKまで行くのはお断りらしいし)』



 それぞれ相手の心を読み、与一と輝羅は心から見えた情報を共有するとテレパシーで作戦を立てる。



『(向こうは終盤まで前半と同じ事をやってくるなら、こっちは──)』



『(──それは上手く行くの、彼次第って事になりそうだよね)』



『(ならなかったら、その時はその時だよ。桜見で色々な戦い方を見つけなきゃね)』



 やる事は決まったらしく、テレパシーによるミーティングは此処で終了。


 2人も桜見の選手達と共に後半のフィールドに向かう。




 後半も前半と同じように桜見がボールを持ち、富永陣内へ攻め込む展開となっていた。



「(相変わらず、ガッチリ状態かよ!)」



 右サイドから攻めに行く霧林へ富永のDF松葉が立ち塞がり、自由には攻め込ませない。



「でぇっ!?」



 楽斗が突破を狙うも富永のダブルボランチが2人がかりで阻止。


 ボールが零れるとセカンドとなった球を影二が拾って、左の室岡に繋げる。



「(赤羽先輩なら頭で行けるかもしれないから!)」



 室岡は立ち止まり、左サイドで奥までは切り込まずゴール前を見据えて足を止めていた。


 そこから右足でゴール前へ高く上げて竜斗に送る。



 サイドの奥の方までは深くは進む事なく、速いタイミングで上げたアーリークロスに竜斗は跳躍。



「らぁっ!」



 八坂西と空中戦の競り合いになり、フィジカルの差で竜斗が跳ね飛ばしてヘディングでゴールを狙う。



 ややコースは甘いが竜斗の放ったボールはゴール左へ向かっていた。


 足元に叩きつけてきた球に、GK桃下は手ではなく右足に当てて防ぐ。



 弾かれたボールを釜石がクリアして富永は再び難を逃れる。 



「(おっし! 今日の桃なら1点取って逃げ切り行ける!)」



 これを見た菊池はチームの守護神が好調で、今日のあいつは取られないと安心。



「おしいよー! 良い流れ来てるから今の内に点を入れちゃおう竜斗ー!」



 与一の方は竜斗のゴールを期待してか、外したキャプテンを励ましていく。




「桜見のキャプテンは変わらず徹底マークな」



「あいつが一番厄介だし、目が離せない」



「それで行くっきゃないって」



 プレーが途切れたタイミングで富永DF陣が集まると、桜見のエースに注意するよう改めて確認し合った。



 彼らの中でその存在が強く意識され、益々目を離さないようにする。




「(そろそろ、かな?)」



 最後尾から相手の心を輝羅は読んでいた。



 そこから今がその時と、彼は静かに判断を下す。



『(与一)』



『(ん、来る頃だと思ってたよ)』



『(御名答、頼めるかな?)』



『(了解〜♪)』



 双子は再び心の中で打ち合わせを開始。




 アーリークロスが効果的と分かり、室岡に続いて霧林も右から速いタイミングで、クロスを右足で放り込む。



 ボールは高く上がり、またも竜斗が跳躍して頭で合わせようとするが、飛び出して来た桃下のパンチングでボールが弾き飛ばされる。



「カウンター!!」



 零れ球を制した富永が八坂西の叫びと共に、多くが桜見ゴールへ向けて走り出す。



「やば! 戻れ!!」



 その姿を見て竜斗は攻撃に出てた皆へ守備に戻るようにと、こちらも叫んだ。



「っ!」



 与一は菊池を自由にさせまいと彼に密着マーク。


 そこにボールを持つ松本と菊池の目が合えば、やるべき事は分かった。



 相手は菊池にまたパスが行くと警戒している。


 ならば突然のシュートを今なら意識をしていないだろう。



 松本が右足で遠い位置からロングシュートを撃つと、ボールはグングン桜見ゴールに迫って来た。



 しかし、彼にとっては簡単な球。



「(ご苦労さんっと!)」



 バシッ



 輝羅から見て、ゆっくり飛んで来るような緩い球。


 このシュートを正面で難なくキャッチして受け止める。



「上がれー!上がれ上がれー!」



 ペナルティエリア内でボールを手で持てる時間を使い、輝羅は何度も味方に上がれと大きく声を上げた。



 ボールは何時の間にか前へ走り出した与一へ、輝羅からパントキックでボールが飛ばされる。



 これを受けた与一が前を向いて、ドリブルで中央から前進。



「10番! 両サイド注意ー!」



 すかさず八坂西から、それぞれのマークを怠るなと守備陣への指示。


 自身は竜斗のマークに付いている。



 何処かにパスが出されるかと思われたが、与一は出さずにセンターサークルを越えて富永ゴールに自ら突き進む。



「(このまま来る気かチビ!?)」



 単独で突っ込んで来ると見て、1人がドリブルの与一へ迫った。



 それを察知したのか与一はゴール前に右足でパスを出すと、ボールは竜斗へ真っ直ぐ向かう。



「(取れる──!?)」



 八坂西が竜斗より前に出て、与一からのパスをカットしようとした時。



 彼の顔が驚愕へと染まる。



 ボールが自分を避けるように鋭く左へ曲がっていったのだ。



 球に回転をかけていた与一のパスは混戦の最中、富永のボックス内に侵入していた影二に渡る。


 この時、彼のマークは誰も付いていない。



「(本当に──来た!)」



 ノーマークで影二は左足を振り抜いてシュートに行く。


 ゴール左下隅とGKの取りづらいコースへ飛んだボールに、好調だった桃下が伸ばす両腕も及ばない。



 ゴールネットが揺らされた時、普段は目立たない彼の所へ桜見の選手達が集っていく。



「ヤミー! 作戦成功だねー!」



「来てビックリした……!」



 与一は影二へ事前に自分がボールを持った時は、ゴール前に走ってほしいと攻撃参加を頼んでいた。


 他の攻撃陣に目を向けさせておき、影の薄い影二を向かわせて富永の隙を突く。



 富永の作戦を打ち砕き、逆に双子の作戦の方が炸裂していた。

与一「やっと先制出来たぁ〜!」


輝羅「これはもうヤミーが仕事してくれたよー!」


与一「目立たなくて影が薄いって強いねー♪」


神奈「それは褒めてる事になるの与一兄さん?」


輝羅「さぁさぁ、次回で富永戦の決着だよー!」

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