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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜 - チームが活躍する陰で努力する者
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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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チームが活躍する陰で努力する者

「もう少し層を増やしたい所」



 桜見中学のグラウンドでサッカー部の練習を見守る神奈から、突然そんな言葉が出たのを休憩していた与一と輝羅は聞き逃さない。



「いきなりどうしたの神奈ー?」



「強いチームになりつつあるけど層が薄いの。スタメンで要の選手が抜けたら、代わりを務められる選手が中々いない……」



 与一と話しながらも、神奈は練習する控え選手を真剣な眼差しで見ていた。


 この中から優秀な選手発掘を狙っているらしい。



「確かに僕達スタメンの人達に目を向けてたけど、流れを変えるスーパーサブとか居ても良いよねー」



 神奈と同じように輝羅も練習してる多くの部員達から、有望な選手を見つけ出そうと一人一人チェック。



「探すって言っても何処のポジションが特に良いのかなぁ?」



「好ましいのは運動量を必要とする中盤やサイドの選手。そのポジションで他の優秀な選手が出来れば大きいと思う」



「その辺りが確かに動き回ってスタミナ必須だねー、どっかにタフそうなのはー……?」



 神奈の居た方が良いポジションを聞いて、双子の兄は狙いを絞って再び部員全体をよく見る。



 磨けば光りそうな選手を見つける為に──。




「お疲れー」



「疲れたぁ〜、腹も減ったし早く帰ろうぜ〜」



 今日の部員達の練習が終わると、1人だけグラウンドに残る選手。


 彼だけは残って続けようとしていた。



「ハッ……!」



 足元のボールを蹴り上げて短めな青い髪の頭上を通過させると、反転して右足でリフティング。


 地面へ落とさないように、器用なボール捌きを小柄な少年は見せる。



 練習で体力の減った状態にも関わらずだ。



「やぁ、見事だねーワカバ♪」



 声を掛けてきた事に気づきながらも、リフティングを止めない。


 その声の主が与一である事は分かっている。



「与一先輩、それに輝羅先輩も。こんな格好で失礼します」



 彼はリフティングしながらも振り向き、与一と輝羅に挨拶。



 2年の倉本若葉(くらもと わかば)、スタメンになれなくてベンチを温める日々を過ごしながらも、彼は出番を待ちつつ己を磨き続けていた。



「オーバートレーニングは体に毒だよ? 適度に運動して休むのが一番良いと思うからさー」



 熱心に練習する若葉の姿を見て輝羅は練習し過ぎないようにと、やんわり注意しておく。



「そんな無理してないですから、体に支障が出ないぐらいに抑えてます」



 そう言って輝羅と話す若葉に与一は彼が話してる間、心の中を覗き込んでみる。



 若葉の心は、もっとサッカーで上手く、強くなりたい。


 小柄な2人がスタメンに出られるなら、自分にもチャンスがあるはずだと。



 サッカーへの情熱を真っ直ぐ持っている真面目で礼儀正しい少年。


 周囲の選手と比べて体格は劣るが、努力家で向上心を持つ彼なら磨いて光るかもしれない。



「上手くなりたいなら鍛えようかー?」



「!?」



 与一から突然、若葉の事を強くさせるかの申し出。



 これを聞いた若葉のボールコントロールが狂い、長い時間ボールを地面につけずリフティングを重ねた彼だが、此処でミスをして球は大きく弾かれる。



「強くって……僕も2人のようになれるんですか?」



「「それは知らないー」」



 同じ部で2人の凄い所は多く見てきた。


 158cmと双子程ではないが彼も背が低く、花開かぬ日々が続いた。



 期待を込めた言葉も与一と輝羅に即答で返され、自分達のように強くなるという保証はしない。



「絶対そうなれるって約束は出来ないけど、若葉次第じゃないかなぁ? 上手くなって上に行くのも下手になって下に落ちて行っちゃうのも──」



「そうそう、何時だって自分の将来とか未来は自分で決めるもんだよワカバー♪」



 輝羅の言葉の後に与一が若葉の右側に立てば彼の右肩へ手を置く。



「つまり自分次第ですよね……鍛えてください、お願いします!」



「いいね、その即決は嫌いじゃないよ♪」



 目の前にチャンスが転がっていると見た若葉に迷いは無かった。


 頭を下げて指導を頼まれた輝羅は明るく笑いながらも、後輩強化のトレーニングメニューを脳内で組み立てる。



 ☆



「うう〜」



 早朝に道場で正座をする若葉、その隣には竜斗、楽斗、影二といった先輩達も同じ状態だ。



 輝羅から言われたのは神明寺家の道場、そこの朝練に参加するという内容。


 坂道や石段と楽ではない道程を通っての朝練参加、一部の先輩達も行っているとの事なので若葉も真面目に行う。



「はい! 正座は終わり!」



 道場主の輝咲からパンッと両手を叩く音が響けば、各自が立ち上がったり足を崩していた。



「まずは体幹とインナーマッスルを鍛える事、こういうのを地道に続けるのが大事だよー」



「そうそう、継続は力なりって言うからねー♪」



「は、はい……!」



 神明寺家の朝練を日々こなす双子は明るく笑うと、そこから2人での組み合いに入る。



「段々こういう所に朝から来る物好きが増えてくなー」



「……若葉みたいな後輩も加わって嬉しい……」



 早朝に来て合気道をする物好きは自分達ぐらい思っていたが、後輩の参戦に楽斗も影二も歓迎していた。



「つぁっ!」



 バンッ



 竜斗は座った状態から倒れ込むと、思いっきり両手で畳を叩いて受け身を取る。



「うけみうまくなってますー」



「りゅうとさんじょうずですー」



「お、おう。そうか……?」



 神明寺の幼い姉妹、姫奈と姫香に褒められると竜斗は照れた様子を見せていた。



「腕だけじゃなく足も使って受け身を取ると良いから!」



「ああ、足か。腕ばっかに意識向いてたな」



 そこに優人の元気なアドバイスが入れば、竜斗は言われた事を意識して受け身の稽古を続ける。



「(先輩達の動きが最近良くなったのは多分、家までの道程と合気道の朝練。これが効いてるのかもしれない──)」



 地区大会での戦いや都大会の初戦を思い返し、竜斗達の動きにキレが増してるのは見てきた。


 地道に行けば自分も、という思いが大きくなって若葉は毎日この朝練に参加する事を決める。



 ☆



 都大会の2回戦、桜見の相手となるのは華三里(はなみさと)中学。



 この日ベンチ入りしていた若葉が見たのは、序盤からペースを握って攻める桜見イレブンの活き活きした姿。



 楽斗を中心としたパス回しで相手の守備を揺さぶり、右の霧林から高いクロスが上がれば竜斗は跳躍。


 ヘディングで叩きつけて今回もゴールを決めていく。



 そんな中、若葉の目は双子へと主に目が向いている。



「相手さん左に寄ってるよー! 左気をつけてー!」



「後ろ6番来てる!」



 与一、輝羅の2人がコーチングを怠らず、リードを広げても声を出し続けていた。



「自分が動くだけでなく味方に伝える事も大事……」



 若葉はメモ帳を取り出すと声を掛けるのは大事だと、書いて記録している。



 試合の方は桜見が終始、主導権を握ったまま華三里に勝利。




 桜見4ー0華三里



 竜斗2


 楽斗1


 室岡1



 マン・オブ・ザ・マッチ


 赤羽竜斗




「前半のビルドアップを左から行って……守備の時のポジショニングは……」



 チームが勝利した後も若葉は今日の試合を振り返り、小声でブツブツと呟いていた。


 今日の試合で彼の出番は結局無いままベンチで過ごすだけ。



 それでも何時か来る時に備えて密かな努力は怠らない。



「かなり頑張ってるねーワカバ♪」



「あ、与一先輩お疲れ様です」



 明るい笑顔で現れた小さな先輩に対して、若葉はメモ帳を仕舞うと頭を下げた。



「若葉って左利きなんだー?」



「そうですね、ボールは右でも同じレベルで扱えるように練習してますが……」



 メモ帳に左手でペンを持って書いていたのを目撃し、輝羅は貴重なレフティー(左利きの選手)と見ている。



『(与一、これ結構優秀な後輩じゃないかな?)』



『(努力を怠らない練習熱心なレフティーとか貴重だよねー、ワカバ次第でレギュラー入りとか行けそうかも?)』



 将来有望な後輩を発掘出来た双子はテレパシーで、彼を鍛えれば大きな戦力になるかもしれないと話す。



 与一、輝羅による後輩育成を進めながら桜見も勝ち進んで上へと登っていく。

与一「彼が試合に出る時は何時になるんだろうねー?」


輝羅「何時になるのかは、そこは僕達も分かんないよー」


与一「ワカバが出る時まで負けないようにしとかないとなぁー」


輝羅「次回は桜見の3回戦! 雨の中での試合となりまーす」


与一「え、雨降るの!? 風邪引かないようにしないとー!」

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