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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜 - それぞれの切っ掛け
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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第3章 熱き関東大会の戦い

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それぞれの切っ掛け

「まぁ、でも……赤羽先輩思ったより元気そうで良かったですよ!」



 竜斗の案内で一行はリビングに通されると聖羅、有栖のメイド2人がアイスティーの紅茶とクッキーを用意してくれる。



 風邪と聞いて心配したが、若葉は元気そうなキャプテンの姿を見て安心する。



「しっかり飯を食って寝て、そんで熱は引いた。本当ならこのままサッカーやっても問題無さそうだけどな」



「流石に駄目です」



「風邪は治りかけが1番重要、油断大敵です」



「分かってるって……」



 双子の従姉メイドから言われると、竜斗は軽く息をついてから紅茶を一口飲む。



 夏の暑さにピッタリな冷えた紅茶の豊かな香りや、ほのかに渋くもあり甘くもある。


 クッキーの味に合わせてメイド2人がブレンドした物だ。



「このクッキー美味しい〜♡」



「サッカーで勝った後に食べると格別だね〜♪」



 一方、神明寺の双子は紅茶よりクッキーの方を美味しく味わい、サクサクと食べ進めていた。



「スマホで見た通り結果は知ってると思いますが、全国に桜見は行けます」



「ああ、本当……大事な時に居なくて皆に迷惑かけて悪かったよ」



 改めて神奈から桜見の全国出場が決まった事を告げられると、竜斗は皆へ頭を下げて謝罪する。



「じゃあ治してサッカーで返してねー」



「グズグズしてたら頼もしい後輩君がポジション取って、キャプテンがレギュラー外れちゃうかもよー?」



 そんな事は無いと言わず、それで竜斗が納得する性格じゃないのは与一も輝羅も分かっていた。


 悪いと思うならサッカーで返せと、2人は柔らかく伝えながらティータイムを楽しむ。



「にしてもお父さんアイドルでお母さん女優かぁ、竜斗は将来もしかして俳優さんになるのかなー?」



「ならねぇよ、演技なんか出来ねぇし」



 親が有名人で竜斗もいずれそうなっていくのかと、与一がクッキーを食べながら言ったのに対して、竜斗はハッキリならないと言いきる。



「俺はもう本気でサッカー続けて、それでプロを目指すんだ」



「へぇー、プロサッカー選手かぁ」



 将来の道が無数にある中、竜斗は絶対プロになると固く決めていた。



 彼の決意は与一、輝羅からも見えて揺らぐ事なく、彼の想いに熱さを帯びているのが伝わる。


 本気でプロサッカー選手を目指す気なのだと。



「竜斗ってさ、どうしてサッカーやるようになったのー?」



 プロを目指す事を彼から聞いた後、与一は竜斗に問いかけた。



 芸能一家で生まれて、そこから真剣にサッカーへ向き合うようになった切っ掛けが何なのかを。



「元々は暇つぶしだったんだよ。小さいころから2人とも有名人でテレビや動画に出たりしてて、あまり家に帰って来なかたったりと俺や手伝いの人ばっかだった」



 紅茶を飲みながら竜斗は昔の事を懐かしそうに振り返る。



「退屈しのぎに読んでいたサッカー漫画を見ている内に面白そうなスポーツだなぁと思って、自分の小遣いでサッカーボールを買って始めたのが最初だな」



「あー、ファイヤーイレブンだねそれ。あそこからサッカー始めるの結構いるからなぁー」



 漫画が切っ掛けでサッカーを始めた竜斗、ちなみに楽斗も始まりはそれらしい。



「そんなに人気なんだ〜、若葉もそれ?」



「僕は友達に誘われたのが切っ掛けでしたね」



 2人の読むサッカー漫画が気になりつつ、輝羅の視線は若葉に向く。


 彼も同じ理由かと思えば友達からの誘いが始まりみたいで、全員が同じという訳ではなさそうだ。



「そういう与一と輝羅は?」



「え〜、始まりって言われてもよく分かんないなぁ〜」



「僕達の場合は気づけばボールを蹴ってたって感じだったから」



「私も兄さん達が気づくとボールを何時も蹴って遊んでいたぐらいしか……」



 楽斗からサッカーを始めた切っ掛けが何なのか、双子は考えたが物心つく前からボールを蹴っていたらしく、2人とも覚えていない。



 2歳下の神奈も物心がついた時は兄達が既にサッカーを始めた後で、その切っ掛けは分からなかった。



「マジかよ、もっと前から興味持つんだったか」



 与一、輝羅の実力を考えると幼い頃に積み上げた経験値が大きかったのだろう。


 もう少し早く始めたかったと、竜斗の中で後悔が生まれ始める。



「それより竜斗、続きー。そこからどうやってサッカー上手くなったのー? コーチの人を雇ったりしたとか?」



 続きをお願いして身を乗り出す与一を見て、弟でも出来たみたいだなと思いながら話を続ける。



「コーチは雇ってねぇよ。当時、女子サッカーやってた姉ちゃん2人から教わって上手くなったんだ」



「え、お姉さんって……」



 竜斗の言葉を受けて楽斗を除いた4人が、直立不動で控えるメイドの2人を一斉に見た。



「我々、小中高とサッカーをやっておりました」



「今でもボールを蹴って竜斗坊っちゃんの相手をしております」



 誰もメイド姿をした女性が本格的にサッカーをやっていた、とは早々思われないだろう。


 人は見かけに寄らない、というのを4人は知る。



「サッカーのコーチがメイド2人って相当珍しいけど、竜斗の強さを思うと相当上手いんじゃないかなー?」



「一応、全国優勝を経験させていただきました」



「全国!? 本当にレベル高いじゃないですか……!」



 サッカー経験者どころか全国を制した程の猛者と、輝羅からの問いかけに答えた聖羅の言葉に、若葉は驚いて椅子から転げ落ちそうになってしまう。



「姉ちゃん達のおかげで上達する日々を送ってた時、俺がサッカーをしている姿を父さんが見つけてさ。そんな好きなら1回本当の試合を見に行くかって誘われたんだ」



 竜斗は話を続けると、此処から自分が本格的に目指す切っ掛けへと入る。



「忘れらんねぇよ。広いフィールドで多くのプロ選手達が走ったり、激しくぶつかり合う迫力は……その試合で決勝ゴールを決めた選手が凄かった」



 その記憶が鮮明に残っていて、その映像と共に語り続けた。



「ゴールが決まった瞬間、スタジアム中の皆が立ち上がれば声を出して大盛り上がり。あれを見て何時か俺も行ってみたい、それがプロを目指す切っ掛けだな」



「なるほどー……テレビとか動画とは全然違うからねー、生の試合っていうのは。その選手がFWで竜斗も同じポジションになったんだー?」



「そうだな。コーチからは経験って言われてポジション色々任されたりしたけど、1番合ってるとは思う」



 与一や輝羅から見て、竜斗はゴールを決めたプロ選手に強い憧れを抱き、彼のいる世界を本気で目指そうとしている。



 それは全部、彼の偽り無き心が叫んでいた。



「全国大会で活躍すれば、プロから注目されるかもしれませんからね。そこで多くのスカウトマンが見ていると聞いています」



 タブレットで全国大会について調べていた神奈。


 全国規模とあって、若い内からスカウトを考えているプロのクラブもいる事を知る。



「じゃあ竜斗をプロにする為にも桜見で勝ちまくらないとねー」



「そうそう、仲間は1人でも多い方が良いし♪」



 与一と輝羅は紅茶を飲んでから互いの顔を見つめて笑い合う。



「仲間、というと先輩達も将来はプロサッカー選手ですか?」



「そうだよー」



 自分達の将来を竜斗と同じく、明確にプロを目指すと決めている。


 これを聞いて若葉は2人の父親を思えば当たり前かと考えた。



「そこに絶対、戦って勝ちたい相手が居るからね」



「絶対戦いたい相手……?」



 双子は共に同じ理由を持つ。



 一体誰と戦いたいのか、竜斗達は双子の戦いたいプロ選手を思い浮かべるも、候補が多過ぎて分からない。



「ま、それより関東大会だって♪スカウトの目に止まるなら石立中学を倒して優勝すれば、注目度上がりそうだしさ?」



 輝羅は陽気に笑って皆の意識を関東大会へと向けさせる。



「そうだな。次の試合からは俺も……」



「「駄目です」」



 竜斗は次の試合から復帰しようとしていたが、聖羅と有栖から同時に止められてしまう。


 なんともないとはいえ、風邪の治りかけで無理は厳禁である。



 よって次の試合、群馬代表の真白(ましろ)学園との準決勝も竜斗は欠場となった。

与一「サッカーの切っ掛けは皆それぞれだったなぁ〜」


輝羅「格好良い選手に憧れる、プロになってお金を稼ぎたい、女の子にモテたい、色々とあるもんだからねー」


竜斗「2人の戦いたい相手って誰だよ? 分かんねぇ……」


輝羅「それは伏せておくって事で次回、準決勝の試合が始まりまーす!」


与一「さぁさぁ、竜斗の分まで働くよー!」

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