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【13万PV 感謝!】封神闘仙記 〜スキル無しで追放された俺、複数拳法と最強の仙術《封神拳》で無双中〜 - 第32撃:沈黙の真実と、蠢く疑念
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第32撃:沈黙の真実と、蠢く疑念

二人は、小さく静かな森の小道を歩いていた。昼下がりの木漏れ日が、葉の隙間から差し込み、足元に淡い光を落としている。帰らずの森の拠点へと向かう帰路。その道すがら、一真がふと口を開いた。


「さて……あの村で色々な話を聞けた。今のうちに情報を整理しておこうか」


その声に、隣を歩いていた晶が「はい」と素直に頷く。が、その表情にはまだ晴れぬ陰が残っていた。


「何から話すか……やはり、エルサリオン王国のことからだな」


そう切り出した一真の言葉に、晶の表情が僅かに強張る。


「……ビルさんたちの話だと……クラスのみんな、もう……半分以上が亡くなったって……」


晶の声は震えていた。言葉にした瞬間、それが現実として心に突き刺さったのだろう。彼は俯き、唇を噛みしめた。


一真は立ち止まり、そっと晶の肩に手を置いた。


「……辛いだろうが、気をしっかり持て。お前は強い子だ。自分を苛めていた連中のことですら、心を痛められる。その優しさは、誰にでも持てるものじゃない」


晶は俯いたまま、ただ小さく頷いた。


一真は目を細め、やや声を低くして続ける。


「だがな……ここからは、少しキツい話になる。俺たちが“追放”されたことについて、改めて考えてみる必要がある」


晶は顔を上げて、一真の顔を見た。


「え……? おかしい……ですか?」


「おかしいさ」と一真は即答する。


「晶のクラスメイトの半数以上が死んだ。それも、召喚されてからまだ、そう時間が経っていない。何が起きたかは分からないが、あの王国の連中の仕業なのはほぼ確実だ。だが――そんな奴らが、スキルを持たない俺たちだけを、“無事に”追放した。どう思う?」


晶は、ようやくその違和感に気づき始めたらしく、少し目を見開いた。


「……確かに、スキルを持ってる人の方が、戦力になるのに…その人達を平気で殺して、スキルを持たないボクたちは…」


「そういうことだ。命を惜しまず戦わせる兵士に、スキルを持たせて死地に送る連中が、スキルを持たない俺たちを“追放”という形で、何もせずに追い出すなんて……都合が良すぎる」


一真の言葉は、静かに鋭く、晶の胸に突き刺さった。


「ロイ爺さんが言っていたな。かつて国王は賢王と呼ばれていたが、王女が魔族に攫われ、救出された後からおかしくなったと。……晶、俺たちを追放したのは誰だった?」


晶は、その場面を思い返すように目を閉じ、呟く。


「……王様……でした」


「そうだな」と一真は頷く。


「つまり、問題は“今の国王”どうなっているか、という点だ。王女が攫われ、数ヶ月後に戻ってきた。だがそれ以降、国王も国もおかしくなった。なら――王女は、洗脳されているか、あるいはもう別人なんだろう。そしてその“何者か”に、国全体が操られている可能性がある」


晶は、息をのむ。まさかそこまでとは、といった表情だった。


「……でも、もし王様も操られていたのなら……どうして…どうやって僕たちを“逃がした”んでしょう? 何か思惑があるなら、むしろ、強いスキルを持ったクラスメイトを逃がす方が、役に立つんじゃ……?」


一真は目を細めて言った。


「そう思うだろう。だがな、そこに“スキル”の仕組みが関係している可能性がある」


「……スキルの、仕組み?」


「晶も聞いただろう。俺たちが召喚された直後、あの国の神官が『この世界では、召喚された者にはスキルが授けられる』って話していた。言語理解のギフトも、あの時に得たはずだ」


晶は頷いた。


「はい。ロイさんがあれは、世界が与えてくれたものだって……」


「だがもし、スキルそのものに“干渉”できる存在がいたらどうだ? あるいは――ギフトとは違い“スキルを授ける者”が、エルサリオン側にいて、その授与に何らかの操作が加えられていたら?」


「っ……!」


晶の目が、驚愕に見開かれる。


「スキルを持っている人間だけに、洗脳なり制御なりの“枷”が仕込まれる仕組みだとしたら? それを回避するには、“スキルを授からなかった者”を逃がすしかない。だから俺たちは、“追放された”んじゃなくて、“逃がされた”んだよ」


晶は、震える手で胸元を押さえながら言った。


「……じゃあ、あのとき……王様の中に、ほんの少しだけ……正気が残ってたってことですか……?」


一真は、空を見上げて答えた。


「それが王様本人の意思だったのか、あるいは誰かの“意志”が一瞬だけ働いたのか……今は分からない。だが、少なくとも俺たちは“選ばれて”追放された。――あくまでも仮説だけどな」


晶は、深く息を吐いた。背中に冷たい風が吹き抜けていくような錯覚がした。


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