Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
【13万PV 感謝!】封神闘仙記 〜スキル無しで追放された俺、複数拳法と最強の仙術《封神拳》で無双中〜 - 第56撃:「焚き火の灯りの下で」
[go: Go Back, main page]

表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/232

第56撃:「焚き火の灯りの下で」

またブックマークをしてくれた方が…!

ワタクシ、本当に嬉しいです!

皆様、有難うございます!

一真はナイフを手に取り、ブレードブルの解体を始めようとした。だが刃は体毛に阻まれ、皮膚にすら届かない。


「ふむ……普通のナイフじゃ無理か。仕方がないな」


 そう呟くと、一真は軽く息を整え、封神拳の呼吸法を始める。

 仙気が練り上がり、指先に集束していく。その手を刃物のように鋭くし、


「よっ! ほっ!」


 軽快な掛け声とともに、まるで紙を裂くように体毛と皮を剥ぎ取っていった。


「え、ええ……? 嘘だろ……」紫音が目を見開く。

「剣すら通らなかったのに……素手で……」


 柚葉も声を失い、ただ目の前の異常を凝視する。


 そんな二人を横目で見ながら、焚き火の準備をしていた晶が、穏やかに口を開いた。


「最初はビックリしますよね。一真さんと一緒にいると……常識ってなんだろう、って思っちゃうんです」


 そう言いながら、キリモミ式で火を起こそうとする晶を見て、柚葉がハッと気づく。


「あ、晶くん。火なら私が!」


 手を差し伸べ、小さな魔法の火を生み出す。それを枯れ枝に近づけると、すぐに焚き火がぱちぱちと燃え始めた。


「わぁ……! 千歳さん、すごい!」晶の顔が子供のように輝く。

「ふふっ……晶くん。もうそろそろ、下の名前で呼んでほしいな」柚葉は少し照れながら笑みを浮かべた。


 紫音も我に返ったように加わる。

「そうだ。いい加減、名前で呼んでくれよ。寂しいじゃないか」


 晶は戸惑い、そして少し申し訳なさそうに言った。

「で、でも……ボクなんかが……いいんですか?」


 紫音は笑って肩を叩く。

「同い年だろ? 敬語もなし! もっと肩の力抜けって」


 柚葉も柔らかく微笑んで頷く。

 晶はためらいながらも、ぽつりと口にした。


「じゃ、じゃあ……紫音……柚葉……」


「ふふ、やっと名前で呼んでくれたね。嬉しい」柚葉が目を細める。

 紫音も満足げに頷いた。


 焚き火の温もりに包まれて、三人の間に和やかな空気が生まれていく。


 一真は解体を続けながら、その光景を見て心の中で思った。

(晶のことを気にかけてくれてた子たちも……ちゃんといたんだな)

 胸の奥に、ほんの少し温かいものが広がる。


 やがて、一真の手によって巨大なブレードブルは鮮やかに解体されていった。ナイフが通らぬ部位は、指先に作った仙気の刃で切り分ける。皮や毛皮、刃角は綺麗に外し、魔石も丁寧に取り出す。


 掌に収まった魔石はロックスネークよりも大きく、鮮やかな紫色に輝いていた。

「お? 紫か。こんなのは初めてだな。後で誰かに聞いてみるとしよう」


 そう呟きながら、大切に横へ置く。


 いつの間にか、三人は会話に夢中になっており、解体が終わったことに気づいて慌てて振り返った。


「ご、ごめんなさい! おじさん、話に夢中で!」紫音が頭を下げる。

「おじさま、他に何かお手伝いできることは……?」柚葉も慌てて続ける。


 一真はいたずらっぽく笑い、肩をすくめた。

「気にするな。大した手間じゃない。それより――“おじさん”や“おじさま”は勘弁してくれよ」


 そして、真っ直ぐに二人を見て名乗った。

「俺の名前は草薙一真。よろしくな」


 紫音と柚葉は、一真の自己紹介に返す。

「オレは天城紫音……敬語は苦手で……なるべく気をつけるよ…気をつけます」

「私は千歳柚葉。よろしくお願いしますね、草薙さん」


「俺のことは一真でいい。その代わり、俺も紫音と柚葉って呼ばせてもらう。いいか?」

 そう笑顔を浮かべて言った。


 二人は少し頬を染め、視線を逸らしつつも小さな声で「……はい」と返事をした。


 そんな様子を見ていた晶の胸に、言葉にならない思いが込み上げる。

(む~……一真さんの……ばか……)


 だが、すぐに一真の声がそれをかき消した。

「よし、とりあえず飯にしようか。封神拳を使ったら、もう腹が減って仕方ない」


「封神拳……」紫音が食い入るように問う。

「さっきの、あのとんでもない力のこと?」


「一真さん、教えてください。あれは……スキルじゃないんですよね?」柚葉も続く。


 一真は焚き火の炎に照らされる三人を順番に見回し、にやりと笑った。

「ふむ、その辺りの説明は……飯を食いながらにしよう。互いに積もる話もあるだろうしな」


 少し日が傾きかけた森に、焚き火の火花が舞った。


重ね重ねになりますが、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします!

いつも励みになっています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ