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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~ - 10.俺にいい考えがある
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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~  作者: epina
第一章 再出発

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10.俺にいい考えがある

 シルフさんとお別れして、洞窟の中に踏み入った。

 中はシーンと静まり返っている。

 いくら音が届いてないといっても、これだけ入り口でいろいろやっていたのに確認にすら来ないとは。

 見張りを倒したことにも気づかれてないみたいだ。


「エチカはエルフだから暗視(あんし)能力があるよね」

「ん、どんなに暗くてもばっちり見えるのだわ」


 小声で話しかけると、エチカも察して(ささや)いた。


「じゃあ、たいまつは使わないでおこう」


 たいまつを買うお金ぐらいはあったから、二本ほど持ってきてあった。


「それだと、スラッドは暗くてなにも見えないんじゃないの?」

「多少は時間がかかるけど、目は慣れるよ。それにゴブリンも暗視能力があるから、灯りがあるとバレバレだし」


 この手の洞窟探索だと斥候(せっこう)役を任される盗賊職は、人間よりもエルフやドワーフが断然有利だ。

 もちろん、暗視能力を得られるマジックアイテムもあるけど、買うのに2,000ゴールドぐらいかかる。とてもじゃないけど今は無理。


「俺が少し先行するよ。洞窟に入って大地の精霊の力が充分強いって感じたらノームさんを呼んでね」

「任せるのだわ……っ、任せるのだわ~」


 大声を出しそうになって、咄嗟(とっさ)に口を(つぐ)んで小声で言い直すエチカ。

 思わず(なご)んで笑ったら、エチカが照れ臭そうに(うつむ)いてしまった。


「さーて、と」


 残念ながら俺は盗賊職でもなんでもない。

 だから巧妙に隠されたトラップに気づいたり、罠を解除したりできない。

 だけど盗賊職の仲間を後ろから眺めていたので見様見真似(みようみまね)の動きならできる。

 少し広まった場所まで進んだところで、俺は足を止めた。


「どうしたの?」

鳴子(なるこ)がある」


 通路の途中に、動物の骨か何かを(ひも)で吊るした粗末な仕掛けがぶら下がっている。

 触れたらカチャカチャ音が鳴って、侵入者を知らせる罠だ。

 暗くて見えにくかったけど、特に隠されている感じではなかった。


「こんな見え見えの鳴子に引っかかる人はいないのだわ」

「いや、ちょっと待って」


 嫌な予感がして丹念に地面を調べてみると。


「床に落とし穴がある」

「えっ……全く気付かなかったのだわ」


 上と思わせて下。

 ゴブリンにしてはだいぶ知恵の回る奴がいる。


「ひょっとしたらホブゴブリンか、ゴブリンシャーマンがいるかもしれない」

「シャーマン? それって強い?」

「うん、呪いとかそっち系の魔法が使えるはず」

「ゴブリンのくせに生意気なのだわ」


 エチカがフンッ、と鼻を鳴らす。


 それにしても落とし穴の位置が巧妙だ。

 鳴子を迂回すると、どうしても落とし穴の上を通ることになってしまう。

 鳴子は天井からぶら下がってるだけだから、匍匐前進(ほふくぜんしん)すればギリギリ通れるかもしれないけど……万が一ゴブリンが通りがかったら圧倒的に不利な状況になる。

 俺はともかくエチカにそんな危険を冒させたくない。


 いや、でも……待てよ。

 ひょっとして……。


「ねえ、エチカ。ノームさんを喚んで。できるだけ小さくて目立たないのを」

「いいの? 小さい姿で出てきてもらうと弱い子になるのだわ」

「うん、大丈夫」


 不安そうなエチカに笑顔で返し、親指を立てる。


「俺にいい考えがあるんだ」

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