重要な情報
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誤字報告もいつもありがとうございます。
っと、ルノーの心配ばかりしていられません。ミリアさんが地下から出るのを見送ると早速依頼に取り掛かる―前に、運営さんに問い合わせを送っておきます。内容は読書スキルが適応されるのはどういったものを読んだ時なのか、という点です。まぁ単純な興味ですね。
改めて資料を読もうと分厚いファイルを手に取ろうとした瞬間、運営からメールが届きました、とアナウンスが頭の中に響きました。
「いくら何でも早すぎませんか?」
思わず声も出てしまいます。おそるおそるメールを開くと、私の疑問に対する回答が書かれていました。要約すると読書として当てはまるものは文学作品や学術書、資料や論文などだそうです。逆に手紙や報告書、メモや暗号は読書に該当しないそうです。つまり今回の依頼では経験値がもらえるみたいですね。嬉しい収穫でした。
気分が高揚したところで、資料を読み込んでいきます。内容はアンの街の基本情報から起こった出来事、周辺の森の生態系の調査やギルドの資金の流れなどです。今更ですがこれは私が読んでもいいものなのでしょうか?後でミリアさんに確認しましょう。とりあえずこのファイルにはグロスアサシンウルフの情報はなさそうです。次にいきましょう。
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「ーありました!」
だいたい80年分確認したでしょうか?グロスアサシンウルフの情報をようやく見つけました!50年分探しても目撃情報ぐらいしか載っておらず、より詳細な情報がないかと探してよかったです!あー目がシパシパしますね。まぁまずは一安心です。
グロスアサシンウルフは資料によると、全長が4メートルを超え、影魔法を使うようですね。下級のブラックウルフと群れで行動しているようです。それに…グロスシールダーウルフ?どうやらグロスアサシンウルフと同じ危険度の魔物と行動することもあるみたいですね。こちらは名前の通り防御魔法を使うみたいです。…2匹が揃ってしまうと討伐難度は格段に高くなる?!あ、当時実際に討伐した際の状況と、弱点と思われる情報も載っています。今回グロスシールダーウルフがいるかはわかりませんが、これはすぐに報告しなければ!即座に地下の階段を小走りで上ります。
「あ、ミリアさん!見てほしい資料があるのですが…」
「ステラさん!」
おや、ミリアさんの前に誰かいますね。人間のプレイヤー…でしょうか?一目見ても分かる高級な服に、黒髪眼鏡の美青年です。な、なにやらすごそうな方ですね。
「なにかグロスアサシンウルフに関する情報ありましたか?」
「ハッ!実はこの資料を見てほしくて」
すっかり男性に気を取られてました。ミリアさんに向き直り、ファイルを差し出します。と、男性が私に声をかけてきました。
「どうもこんにちはー」
「こ、こんにちは」
「俺は稲荷。今はポーションやら武器やら情報やら、基本は何でも扱ってる商人やってます。君もプレイヤーだよね?」
商人!なんかカッコいいですね!気さくに話しかけてくださって、かなり好印象です。
「そうです。ステラといいます。メイン職業は見習い司書です」
「よろしく!ね、ステラもギルドからの緊急依頼やってるの?」
「そう、なるのでしょうか。私も、ということは稲荷さんも何かやらているのですか?」
そう尋ねると、稲荷さんは大きく頷きました。心なしか目が輝いているように感じます。
「そう!俺はさっきも言ったけど商人だからさ。ポーションとか魔物に関する情報がないか、もしあったら売ってくれって言われて来たのよ。まぁ情報なんて持ってないから、ポーションの商談をしようとしてた時にステラがギルドの奥から出てきたわけ」
それは、話の邪魔をしてしまったでしょうか…。なんか申し訳ないですね。そういうと稲荷さんはカラカラ笑って、そんなこと思ってないと仰ってくださいました。
「ステラはどんな依頼をしてたの?」
「私はギルドの資料の中から、魔物に関する情報を探すだけでしたね。1人の作業だったので、大変と言われれば大変でしたが…」
「そっか、司書だもんね」
はい、司書です。おそらくプレイヤーの中で、一番ギルドにいる時間が長いという自負さえあります。それぐらいギルドの中でクエストをこなしていましたから。
「俺、街中で司書に会ったの初めてかも」
「え?司書はそんなに人数が少ないのですか?」
「あーいや、そうじゃなくて。たいていの司書は図書館に入り浸ってるか、あとはなぜかモンスターを刈りまくってる戦闘狂集団ぐらいしか知らなくてさ。だからステラが司書って知ったとき、実は心臓跳ね上がってたから」
ず、ずいぶん個性的な方たちがいますね。司書で戦闘するという考えは、私にはありませんでした。そういう遊び方もあるのですね。
「図書館はいつか私も行ってみたいと思ってますよ。本を読むのは好きですから」
「いいね。そういえばステラはー」
「お待たせしました!」
稲荷さんとの会話が弾んでいると、ミリアさんが資料を読み終わったようです。声がした方に身体を向けると、ミリアさんの後ろに屈強な強面の男性が立っていました。
「おう急に悪いな。俺はこいつの部署の責任者であるクラージュだ」
よろしく、と差し出されて握手した手はやはり力強かったです。身長も高いですし、憧れますね。ーところでクラージュさんのご用はなんでしょうか?