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司書さんは無自覚でいいのです! - 嬉しい報酬
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司書さんは無自覚でいいのです!  作者: 黒色猫


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嬉しい報酬

 立ち話もあれだからということで、資料室がある2階の個室に移動することになりました。クラージュさんは私に話があるようなのですが、興味があるからと稲荷さんも同席しています。個室は大きなテーブルに椅子が6脚あるだけのシンプルな部屋でした。私と稲荷さんが隣同士で、その向かいにミリアさんとクラージュさんが座ります。


「んじゃ早速だがステラ。グロスアサシンウルフに関する情報を見つけてくれたこと、心から感謝する。本当にありがとう」

「い、いえ私は自分の仕事をしただけですから…」


 まっすぐお礼を言われると、少し気恥ずかしさを感じます。私はただ速読スキルをフル活用して、資料を読み進めていただけなんですよ。


「こんなに早く仕事を終わらせてくれたのがありがたいって言ってんだよ。おかげで魔物が街に被害を出す前に討伐に臨める。あの資料には弱点やら習性やらが載ってたからな。討伐部隊も余裕をもって戦闘に行くことができるんだ。個人的には感謝状を贈りたいくらいだぜ」

「そうですよ!ステラさんには本当に感謝してますから!」


 クラージュさんとミリアさんはずっとお礼を述べています。ここは素直に感謝を受け取りましょう。私も街を守るお手伝いが出来てよかったです。


「それで、だ。ステラに渡す報酬だが、副ギルドマスターからの提案で上乗せしようということになってな。なんか欲しいものの希望とかあるか?」

「希望…ですか」


 欲しいものと急に言われても、思いつきませんね…。今のところ買ったものと言えば串焼きだけでお金もあまり使っていませんし。うーん…うーーーーん…。こうなったら、素直に言いましょう。


「特に欲しいものはありませんでした!」

「そ、そうか。だったらお前の職業に関するものを渡そう。ステラの職業は確か…」

「私の職業は見習い司書と見習いテイマーです」

「見習いだったか。なら司書に関しては推薦状を、テイマーは魔物の卵でどうだ?」


 魔物の卵はテイムすることができます。そして現実世界で1日経つと孵化し、一緒に行動できるようになるそうです。孵化する魔物は完全ランダムですが、卵を入手できる確率はかなり低いらしいですね。推薦状は…なんでしょう?


「あの、推薦状とはどのようなものなのでしょうか?」

「司書に関係する場所だったら使えるぞ。この街だったら図書館で推薦状を見せれば、まぁいいようになるはずだ」


 説明が曖昧ですね。ですがますます図書館に行きたくなりますね!


「報酬はそれでお願いします!」

「わかった。ほら、最初に渡す予定だった30000G。推薦状と魔物の卵は今用意するから、少し待っとけ。ミリア、手伝え」

「はい!」


 そういうとクラージュさんは個室から出ていきました。それに続くようにミリアさんも後を追います。残ったのは私と稲荷さんだけです。


「…もしかしてステラって、すごいプレイヤーだったりする?」

「急に何言ってるんですか?!」


 脈絡なさすぎますよ、まったくもう!それに私のレベルは下から数えた方が早いぐらいでしょうし、何もすごいところなんてありません。


「いやいや、ステラは十分すごいよ!ギルドの職員の人たちとあんなに親しそうで!しかも報酬が上乗せされるなんて聞いたこともない!

「そうなんですね…でも私のはたまたまだと思いますよ。今回のクエストは速読スキルを持っている人なら誰でもやることができたと思います」


 そう私じゃなくとも、できたはずなんですよ。どうして他の司書のプレイヤー方は冒険者ギルドに来ないのでしょうか?そうすれば手分けして資料を確認することができて、もっとはやく情報を見つけることができたのに…。


「みんな司書の仕事はギルドにはないと思ってたんだよ。今回のステラの情報があれば、他の司書たちも顔ぐらいは出すだろうね。ということで、この情報俺に売らない?」

「え?」


 稲荷さんは真剣なにこやかにこちらを見ていました。そんな重要な情報なんてありましたか?


「最初に自己紹介したときに言ったけど、俺は情報も取り扱う商人なのよ。んで司書向けのクエストが冒険者ギルドにあるってのは、他の奴らにとって喉から手が出るほど欲しい情報なわけ。なにせ図書館でクエストが見つからないとかで発狂したり、諦めて戦闘したりしてるのばかりだからさ」


 で、どう?と言われましても…。


「別にそれくらいの情報、好きに取り扱っても構いませんよ?」

「いやいや、そうすると他の情報売ってる人がいたたまれないでしょ。今回の情報だと500Gになるかなー」


 まぁ私が貰って稲荷さんが納得するのなら…。ということで500Gを稲荷さんからいただきます。これで情報は好きにしてかまいませんからね。

 と、ここでクラージュさんとミリアさんが戻ってきました。手には封筒と卵を持っています。


「ほらこれ。お前への報酬だ。今回は本当にありがとな」

「いえ、お力になれたら幸いです」


 推薦状と魔物の卵をお2人から受け取ります。


魔物の卵 レア度3

水と光の力を秘めた卵。何が孵るかは不明


「それでステラさん…」

「はい?」


 ミリアさんが何か言いたそうにしています。ですが言いづらいのか口ごもってしまいました。クラージュさんも気まずそうに目線をそらしています。なんですか、気になりますよ。


「あの…レオンさんがいなくなってから依頼書の作成が滞ってまして…。お手伝いお願いします!」


 レオンさーん!まぁあの人とても仕事が早いですからね…。稲荷さんも事情を知らないはずなのに同情の眼差しを送っています。あーもう!


「…やらせていただきます」

「ステラさん!」

 

 ただし、報告書を読んで記録することしかやりませんからね!

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― 新着の感想 ―
これもクエストなんだよね(笑) 他の司書さん達発狂するのでは?(別の意味でwww)
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