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彼女に少し嫌われたい ~俺を魔王と呼ぶ美少女と運命の出会いをしたけど、忠誠度が高すぎるので少し下げて普通の恋人を目指したい~ - 21 料理
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21 料理

「――ねぇリーゼ、これちょっと味見してみてくれる?」


 調理が終わった筑前煮を小鉢に盛り、空のベッドに向かって声をかけると。『ゴン』と重たい音がして、ベッドがちょっと浮き上がった。


「……大丈夫?」


「はい!」


 元気な声と共に、ベッドの下からリーゼがピョコンと顔を出す。

 なんか、ちょっとユーモラスな光景だ。


 ベッドの下から顔だけ出して口を開けたリーゼに、なんか鳥のひなみたいだなと思いながら筑前煮を口に落とすと、むぐむぐ咀嚼そしゃくしたリーゼは、パッと表情を輝かせて言葉を発する。


「うん、美味しい! すごく美味しいです閣下!」


「それは良かった。リーゼは外国人だから、日本の料理が口に合わないかもって心配したんだよ」


「そんな事ないですよ、この国の料理はなんでも美味しいです! 一つだけ美味しくなかったのは、お弁当に入っていた硬い緑の草みたいなやつだけですよ!」


 ……それは、もしかしなくても食べ物ではなかったんじゃないだろうか?


 そんな事を考えながらも、とりあえず味が高評価だった事に安心し。完成した料理をテーブルに並べる。

 ベッドの下からい出してきたリーゼが、テンション高く手伝ってくれた。



 テーブルに二人揃っていただきますをし、夕食がはじまる。いつも一人で食べているので、相手がいるというのはそれだけでいいものだ。

 ましてそれがカッコイイ美少女ともなれば、ご飯も二倍美味しくなろうというものである。


 ……なんとなく、リーゼは体育会系でいっぱい食べそうな気がしたので、お米も多めに炊いたのだが。実際びっくりするくらいに食欲旺盛おうせいで、多めに作ったはずの料理をあっという間に平らげてしまう。


 いっそ清々(すがすが)しいくらいで、美味しそうに食べてもらえるのは作り手冥利みょうりに尽きるというものだ。


 リーゼがあまりに美味しそうに食べてくれるので、思わず明日の朝食にと予定していた分まで提供してしまったが。まぁ、朝ごはんなんてお茶漬けでもいいだろう。


 そんなこんなで夕食を終え。自分の料理にちょっと自信をつけた俺は、来たるべき千聡に料理を振舞う日に備えて、情報収集を試みる。


「ねぇリーゼ。千聡が好きな食べ物とかって、なにか知ってる?」


「師匠のですか? う~ん……聞いた事ないですけど、カロリーバーとかよく食べてますね」


 ……それは多分、好きなんじゃなくて忙しいだけだろう。


 料理が無理なら、他の情報を収集しよう。


「じゃあ、千聡の趣味とか知ってる?」


「本を読むのとか好きだったと思いますけど、こっちの世界に来てからは仕事をしているか閣下を探しているかで。合間にちょっと読んでいる所しか見た事ないですね。昔は、自分の相手をしてくれたりもしたんですけどね……」


 そう言って、リーゼは悲しそうに視線を落とす。目がちょっとうるんでいた。


「え、ええと……誕生日とか知らない?」


 慌てて話を変えながら情報収集に努めたが、わかった事は千聡が寝る間も惜しんで魔王(俺)を探し続けていた事と。リーゼが構ってもらえなくて寂しい思いをしていた事だけだった。


 ちなみに千聡の誕生日は少し先だったが。それも三人がこの世界に転生した日付から俺に繋がる手がかりが得られないかを検証したから知っているだけで、お祝いをしたりとかは一切なかったらしい。


 なお、誕生日はみんなバラバラで。特に法則性とかはなかった模様。



 そんな話をしながらまったりと食後の時間を過ごしていると、スマホがメールの着信を告げたので見てみると、潮浬からで『今からお邪魔してもよろしいでしょうか?』とあった。


 どうやら仕事が終わったらしいが、ホントに暇さえあれば俺の所に来るつもりらしい。


 断る理由もないのでOKの返事をすると、数分もしないうちにインターホンが鳴り。リーゼが対応に出てくれて、潮浬が姿を現した。

 仕事帰りだからなのか、朝の露出の多い格好と違って、足元まである長袖ワンピース姿で、目に優しい服装である。


 潮浬は部屋に入ってくると鼻をヒクヒクと動かし。『あ、もう夕食を済ませてしまいましたか。残念です』と言って、包みを二つ。テーブルに置いた。


 どうやら夕食を買ってきてくれたらしく。包みはなんか高そうな、折り詰めのお寿司すしだった。


 せっかくなので二つだけ。トロとウニという高級コンビを頂いたが、なんか今まで食べてきたお寿司が嘘だったみたいに美味しかった。


 ちなみに残りはリーゼが食べてくれたが。夕食を軽く二人前は食べたと思うのに、ぺろりと平らげてしまったのはさすがと言っていいのだろうか?


 なお、俺の手料理をリーゼと二人で食べたと聞いた潮浬は『リーゼちゃんだけずるい!』と大いに騒ぎ立て。結局千聡にも連絡を取って、これからは夕食をみんな揃って食べる事になった。調理担当は俺である。


 図らずも、千聡に手料理を振舞うと言う目的が叶う事になった訳だ。


 ちなみに千聡は盛大に恐縮し。料理は俺の趣味みたいなものだからと言って納得してもらったが、『お支払いする費用は一食何億円が妥当でしょうか?』と意味の分からない事を訊いてきたので。三人分によく食べるリーゼがプラス二人分で、俺の分は別にして五人分。一人1000円の5000円で妥結だけつした。正直それでも多いくらいだと思う。


 ちなみに、炊飯器を大きいものに買い換える費用は潮浬持ちである。予定が空いている時は手伝いにも来てくれるらしい。


 夕食のついでに俺臨席で会議も開かれるらしいが、それについてはあまり深く考えないようにしようと思う。


 そんな感じでこれからのスケジュールがまとまり。さすがにベッドの下にリーゼがいる状態で寝るのはなんか怖いので、千聡が用意した簡易テントを部屋の前に張って、そこで仮眠を取りつつ護衛をしてもらう事になった。


 それもどうかと思ったが、立ちっぱなしよりはずっとマシだろうし。本人がとても乗り気だったので気にしない事にする。


 千聡いわく、近いうちにセキュリティも含めて建物を改修するのでそれまではという事らしいが。それはまぁ、大家さんになった千聡の自由にしていい範囲だと思うので。好きにしてもらう事にする。


 俺としては、家賃が要らないと言われただけで大助かりだ。


 セキュリティに関しても、俺はともかく千聡が。それに潮浬とリーゼもこのアパートに住む事になるらしいので、むしろそっち方面で必要だろう。


 ここ数日あったみたいに、強く引っ張ったらかぎが壊れてしまうような造りでは、アイドルやお嬢様達が住むのには問題あるだろうからね。



 そんなこんなで、俺は初めて千聡に振舞う料理をなににするかを考えつつ。その日の夜を過ごすのだった……。

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