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浜辺の粘菌 Slime on the beach - Prepare for Their First Period
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浜辺の粘菌 Slime on the beach  作者: 外山淑
第二部 邂逅
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Prepare for Their First Period

 ヘルガ達の成長が著しい。彼女達と出会ってから1ヶ月程だが、明らかに身長が伸びている。

 出会った時は、着ていた貫頭衣の裾が膝を完全に隠していたのに、今では膝頭の半分以上が見えている。

 成長期の子供が1ヶ月に1センチから2センチ程身長が伸びることはよくある。

 しかし、この子達は、全員、3センチ以上も身長が伸びている!

 劣悪な栄養状態が劇的に改善したからか?

 今まで、低栄養状態で押さえつけられていた成長因子が抑圧から開放されて爆発的な力を発揮したか?

 彼女達のここに来る前の食事には、肉などの動物性タンパク質はあまり含まれていなかったようだ。

 ここでの食事には、鹿肉やハマグリなど常に動物性タンパク質が豊富に入っている。動物性タンパク質が主食と言っても良いくらいだ。

 でも、それでここまで身長が伸びるのか?


 あるいは、自分がみんなに飲ませている母乳に成長ホルモンか何かが入っているのか?

 こちらの方がありそうかもしれない。

 ハーゲンも発育の度合いが著しい。たった一月でハーゲンは倍近いくらいの重さになった。


 どちらの理由であっても、この子達の成長速度が異常に速いことは確かだ。

 この調子だと、もうすぐ、インガ、ヒルダ、そして、エンマに初潮が訪れるはずだ。

 いや、下手をすると、他の子達にも直ぐに訪れるかもしれない。

 初潮前には身長が急に伸びるという。みんな身長が急に伸びてる。体重も当然増えている。

 いつ初潮が訪れてもおかしくない。


 止血帯と、交換可能な吸着袋を用意しておかなければならない。

 止血帯は自分用の予備が3個ある。

 止血帯と吸着袋は天蚕糸の布で作りたい。麻布は敏感な肌に当てるにはまだだいぶ粗い。

 天蚕糸の布が足りなくなったら、ブラジャーの予備を転用すれば良い。

 ハーゲンには、少なくとも夏までは乳を飲ませなければいけないだろう。

 ハーゲンに乳を飲ませている間は、ブラジャーは必要ではない。止血帯に転用しても問題ない。


 問題は、吸着袋に入れる真綿だ。

 念の為、7人全員に吸着袋を用意するとなると、全く足りない。まだ3月で、真綿の代用になるタンポポやアザミの綿毛が採れる時期ではない。

 山繭を捜すにしても、家の近辺の山の繭は、ほぼ取り尽くしている。ヤママユガはまだ卵の状態で、夏の終りになるまで新繭は出ない。

 山繭を捜す範囲を広げると、日中に家に帰ることができなくなるし、この子達を連れて山の中で一夜を明かすことは望ましくない。

 なにせ、ハーゲンがいる。ハーゲンが泣き出して、周りの肉食動物を呼び寄せてしまうかもしれない。


 そうだ、浜辺の東端の山に行くのはどうだろうか。

 あそこであれば浜辺で野営することができる。

 それに東端の山で山繭を採ったことはないので、山繭は沢山あるはずだ。


 それに、前回、浜辺の東端を訪れた時は、あの場所の近辺をじっくり調べてはいない。

 ここが、もし、古墳時代か飛鳥時代辺りの東海か関東地方だとしたら、どこかに人の痕跡がなければおかしい。

 人の痕跡が無かった場合でも、これから人がやって来る可能性がある。

 人がやって来る場合、どのルートを辿って来るか、どのように対処すべきかを予め考えておかなければならない。


 この時代は、いやどの時代でも、基本的に弱肉強食の世界だ。

 自分達は、両性具有と女の子達の集団だ。他の人間の集団に遭遇した場合、奴隷にされる可能性が極めて高い。いや、ほぼ必然だ。

 だから、ここにやって来る人間は敵であるという前提で考えなければならない。


 前に東端に行ったときには、自分は一人だった。自分一人であれば、敵が来たとしても、逃げることは容易い。

 一人であれば、根拠地に残した物に執着さえしなければ、どこにでも行ける。

 だから、東端の場所を真剣に調査してこなかった。

 しかし、今は違う。

 この子達を守らなければいけない。この子達を守るためには、この土地の地形、植生など様々な情報を知っておく必要がある。

 戦う場合には、どこでどのように戦うか。逃げる場合には、どこを通ってどこに行くのか。それを決めるためには、情報を集めることが必須だ。


 よし、明日は山繭の採取を兼ねて、浜辺の東端の探索に出かけよう。


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