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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで - 第90話 キャロルクリスタル化
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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
二章

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90/225

第90話 キャロルクリスタル化

 拠点にしている廃村の広場に沈黙が下りる。


 今回の討伐依頼に参加した者が集まっているのだが、一様に暗い表情を浮かべている。


 その原因となるのが……。


「本当にこれがキャロルなのか?」


 中心に置かれたクリスタル像だった。


「ああ、間違いねえよ!」


 俺が黙っているとリッツさんが答えた。


「もう少し詳しく状況を教えてもらえないだろうか?」


 パリスさんの質問にハンナさんが答える。


「私たちは予定通り、コカトリスが巣を作っている可能性が高い場所に移動し、そこにいたコカトリスを全滅させた。その後、キャロルがコカトリスたちの動きが不自然だったと指摘し、原因の森を探ったところ未知の攻撃を受けてクリスタル化した。これでいいかい?」


 先程俺たちが体験した内容を、ハンナさんはかいつまんで説明した。


 先程から胸をかきむしりたくなる。キャロルのクリスタル像は俺を突き飛ばした形で固まっており、彼女は俺のことを庇ったからこそこのような姿になったのだ。


「これも石化には違いない。もしかすると、石化解除ポーションで治せるのでは?」


「クラウスが持っていた石化解除ポーションを使ってみましたが……」


 リッツさんもその先は言わない。結果を見れば明らかだから……。


「とにかく、こうなっては上の指示を仰ぐしかないだろう」


 パリスさんは胸元から魔導具を取り出した。


 希少な品で、遠く離れた相手と会話をすることができる。


「待ってください!」


 魔導具を使用しようとしているリーダーに俺は焦りを浮かべ話し掛けた。


「この場の全員で森を調べるんじゃないんですか⁉︎」


 未知のモンスターを調べ、キャロルのクリスタル化を解除する方法を調べるのだと思っていた。


「クラウス、勘違いしているようだから言っておく。我々の今回の任務はコカトリスの討伐と爪の回収だ。そしてその作戦は現時点で達成している」


 他の部隊もコカトリスと遭遇して討ち取っているらしく、既に依頼は達成している。


「だからって!」


 俺が声を荒げ食い下がろうとしていると、


『どうした?』


 魔導具を通じて声が聞こえてきた。マルグリッドさんの声だ。


『予定ではそろそろ現場に到着してコカトリスの狩りをしているはずだったか?』


 スケジュールが頭に入っていたからか、マルグリッドさんはパリスさんに確認をする。


「ええ、その通りです。宮廷魔導師にわり出してもらった通りの場所に攻勢を仕掛け、そこに留まっていたコカトリスの群れを全滅させました」


『ふむ、流石は最難関試験を乗り越えた国家冒険者たち。非常に優秀だな』


 マルグリッドさんはそこで一息吐くと、


『犠牲はでなかったのかね?』


「マルグリッドさん!」


「あっ! こらっ!」


 パリスさんの魔導具を奪うと俺は彼に話し掛ける。


『その声はクラウスか? 何やら問題があったのかね?』


「ええ、その通りです」


 俺は現状を告げる。


「俺たちパーティは森の奥で未知のモンスターの攻撃を受けました。その結果キャロルがクリスタル化してしまったんです!」


 俺の言葉が聞こえていないのか、マルグリッドさんは沈黙する。数秒程が経ち、返事がないことに苛立つ。


「あのっ!」


『聞こえているよ、安心したまえ』


 続いて彼は信じられない言葉を口にした。


『それで、君は一体私にどうしろというのだね?』


「はっ?」


『パリスから話を聞いた通り、我々が請け負った依頼は既に達成されている。後は帰還するだけだと思うのだが?』


「本気で言ってるんですか? キャロルが犠牲になってるんですよ!」


 俺はマルグリッドさんに食って掛かる。


『確かに、未知のモンスターがいるというのは理解できた。だが、君は何の対策もなしにそこに人員を投入しろと言っている。他の者がそれに付き合う必要がないことも理解しているか?』


 頭が沸騰しそうになる。そのような正論でキャロルを見殺しにしろというのか?


『今回の件を報告すれば、国の上層部の判断で調査も行われる。万全の状態で挑み、犠牲を最小限にすることこそ今考えるべきではないか?』


「そんなことをしている間に、原因となったモンスターがいなくなったらどうするんですか⁉︎」


 未知の攻撃を行ったモンスターの正体はいまだに不明。日が落ちていたこともあり姿が見えなかった。今を逃すと正体がわからなくなるかもしれない。


『そうなったら運が悪かった……いや、良かっただけのこと。キャロルも国家冒険者なのだから覚悟している』


俺は血が出るのではないかという程拳を握り、唇をかみしめると説得を諦めた。


「……わかりました。でも、その言い方をするなら、既に任務が終了している以上、個人で動くのは構わないでしょう?」


 マルグリッドさんが息を呑む気配が魔導具越しに伝わってくる。


『……本気で、一人で未知のモンスターに挑むと?』


 マルグリッドさんの問いかけに俺は答えた。


「それでキャロルが助かる可能性がわずかでもあるなら」


 一瞬、沈黙が落ちる。パリスさんや他の国家冒険者は俺から目を逸らし、リッツさんやハンナさんも気まずそうにしている。


『……君個人の行動を縛ることは私にはできない』


 その言葉を最後に通信が途絶えた。

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― 新着の感想 ―
仲の良い人間に被害が出て感情的になっているのは仕方がないが・・・ 現場責任者・ギルドの責任者として被害を拡大できないのは上に立つ人間たちとして許可できないよね でもね、国家冒険者であるまえにレアモン…
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