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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる - 精霊の森の異変―番外編―
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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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精霊の森の異変―番外編―

―王との謁見―


ランド達が住んでいる国は「グラン王国」という。


その国の王都である街「ガンドラ」がランドが所属するギルドのある街である。


王都だから当然国王がおり、他の街も含めこの国を統治している。


現国王「アルガス・グラン」は先代の父王が病によって逝去したため30代という王としては若年で即位した。


王になる前は「民の目線から国を見るのも社会勉強」という父王の勧めにより冒険者をしていた。


冒険者の頃は剣士として活躍しパーティーの「槍使い」「僧侶」「魔法使い」とSランクまで上がった程の実力者である。


王となってからも日々の鍛練は欠かさず、即位して10年が経つ今でも衰えを感じさせない気配を保っている。


そんなある日、執務をしていた国王の部屋をノックする者がいた。


「誰だ?」


「執務中に申し訳ありません、お伝えしたいことがあります」


声は今日業務についている近衛兵のものだった。


「入るがよい」


「失礼致します」


王の承諾のあと近衛兵が部屋に入ってきた。


「何事だ?」


「門番の兵士から伝言を預かって参りました」


「聞こう」


「冒険者ギルドのマスターが陛下に話したいことがあると面会を望んで来城しているということです」


「フォルクスが?どういった用件だ?」


「詳しくは直接会って話したいと申しておりますがいかが致しましょう?」


「あいつがそう言うということは余程の事なのかもしれんな、わかった話を聞こう連れて来るがよい」


「承知しました。お連れします」


近衛兵はそう答え一礼すると退室していった。


少ししてフォルクスが近衛兵に連れられて執務室にやって来た。


「お久しぶりです陛下、変わらずお元気そうでなによりであります」


「うむ、他の者は一度下がれ。こやつと二人で話がしたい」


王がそう告げると近衛兵や侍女達は一礼して退室していった。


王とフォルクスが二人きりになると…


「すっかり国王としての態度が板についてきたな」


「流石に10年もやってると嫌でも慣れてくるもんさ。親父が生きてりゃまだお前と無茶やってたと思うがな」


「違いない」


そう言って二人は笑った。


この二人、かつて「剣士」「槍使い」として同じパーティーで活動していたのだ。


「で、お前がわざわざ会って話したいことがあるってのはなんだ?昔話をしに来たわけでもないんだろ」


「あー、その事なんだが…先月のオーガの襲撃の件は覚えてるか?」


「オーガの?あの冒険者が一人で壊滅させたっていうやつか」


「そうそう、その冒険者が今回ちょっとややこしい案件を持ってきてな。俺一人では手に余るからお前の判断を仰ごうと思って来たんだ」


「お前がそこまで言うなんて余程の事なんだろうな」


「まぁ、詳しくは本人達に会って貰った方が早いな。これから連れてくるが構わないか?」


「構わないぞ、俺も件の冒険者には会ってみたかったしな」


「じゃあ下で待ってもらってるから今から連れてくる」


そう言うとフォルクスは一度席を立ち部屋から出ていった。


ややあってフォルクスがランドとアリスの二人を連れて部屋に戻ってきた、念のためにアリスは今フードを被っている。


「お初にお目にかかります。冒険者のランドと申します」


「そなたが冒険者ランドか、フォルクスから話は聞いている。俺が国王のアルガス・グランだ。オーガの件については大義であった」


「もったいなきお言葉ありがとうございます、そしてこちらが」


「エルフの女王をしています、アリスと申します」


「エルフだと、あの精霊の森に住んでると言い伝えられていたエルフか?」


「はい、そのエルフであります」


「フォルクス、説明を頼む」


「実はだな…」


フォルクスは精霊の森の異変について経緯を説明した。


「よもやそのようなことが起こっていたとはな。それで、アリス殿は我が国と国交を結びたいと申されるのだな?」


「はい、どちらにとっても文化や技術の交流は有益だと思うのですがいかがでしょうか?」


「なるほどな…こちらとしても大変興味深い話ではあるが一つ気になることがある」


「気になること?」


「国交を結ぶというのは互いに信頼して成り立つものだ。そなたは顔をフードで隠して見せていない、隠し事があっては信頼とは言えないのではないか?」


「なるほど、そういうことですか。それならば…」


アリスはフードをとりアルガスの前で顔を露にした。


「これで信頼していただけますか?」


暫くの沈黙が流れた…


「陛下?」


「国王様?」


「アルガス?」


ランド、アリス、フォルクスの順に声をかけると…


「うぉーーすげえ美人!言い伝えで聞いてたとはいえ予想以上だわ!マジで?こんな美人な女王がいる国と国交を結べるの?やべーテンション上がるわー!」


アリスは先程までの国王の雰囲気からのいきなりの変化に若干戸惑ったが勇気を出して笑顔で「あ、ありがとうございます。それでは国交の方は?」と尋ねた。


「するする!むしろこっちからお願いします!なんだったら国だけでなく個人的な交流も深めて貰いたいくらいです!」


「あー、アルガスひとまず落ち着け。気持ちはわからないまでもないがその様子をアイツに見られたらヤバイと思うぞ?」


「大丈夫大丈夫、セーラなら今教会と併設してる孤児院の視察に行ってるから!お茶でも飲んで楽しくお喋りしようぜ!」


「そうか…教会と孤児院の視察に行って「た」のかセーラ…」


「そうそう!教会と孤児院の視察に行ってたんだよ。ん…?行って「た」?」


「楽しそうですね陛下?」


その声がした途端ランドとアリスも後ろを向いた。


そこには上品なドレスに身を包んだ女性が笑顔で立っていた。


「久しぶりだなセーラ、元気そうでなによりだ。紹介しよう、こちらの二人は冒険者のランドとエルフのアリスだ」


フォルクスが女性に親しげに声をかける。


「えぇフォルクス久しぶりね、おかげ様で元気よ。そちらのお二人もよろしくね。私はそこに居る国王の妻でセーラと申します。陛下とフォルクスとパーティーを組んでいた時は僧侶をしていました」


ランドとアリスも登場した女性に頭を下げて挨拶をする。


錆びたブリキの玩具のような動きでギギギとアルガスがそちらに顔を向ける。


「セ、セーラ…いつからそこにいた?」


滝のように汗を流したアルガスが訪ねると…


「そうね…「隠し事があっては信頼とは言えないのではないか?」辺りからかしら」


「テンション上がったところから全部聞かれてたー!」


「さてランドさんとアリスさん、今回の国交を結ぶ事に関しては改めてご返事させていただきます。と言ってもこちらにしてもよい話ですからまず断ることはありませんので安心してください。フォルクスもごくろうさま、今日のところはこれで下がってくれるかしら?私はちょっと陛下とお話がありますので」


そう言ってセーラはフォルクス、ランド、アリスに笑顔を向けた。アルガスだけは顔が青ざめている。


「それでは王妃様、我々はこれで失礼致します。」


そう言ってフォルクスは二人を連れて部屋を後にした。後ろの方から…


「おいまてフォルクス、この状況で二人きりにしないでくれ!お、落ち着けセーラ!お前はもう僧侶でなくて王妃だろ?だからその手に持ったメイス(鈍器)を置いてく…ぐぁぁぁぁぁぁ!」と悲鳴が聞こえてきた。


「良かったんですか?」


ランドがフォルクスにそう訪ねると


「気にすんな、よくあることだ」


とフォルクスは慣れた様子で答えた。ランドもそれ以上は気にしないことにした。


そして数日後、国王から正式にエルフの国との国交を結ぶ事が宣言されたのである。その時なぜか国王の顔は一部腫れたり湿布が貼られていた。


―ギルド図書室―


「…って事があったんだ」


「この国大丈夫なんでしょうか?」


「とりあえずちゃんと国として回ってるし大丈夫じゃないか?」


「まぁ私達が気にしても仕方ないですかね。っともうこんな時間ですか。今日はここまでにして検証の続きはまた今度にしましょう」


「え、まだ続けるのか?」


「当然です!ランドさんにはしっかり自覚を持って貰いたいですから!」


「えー」


「文句言わない!では図書室も閉めますし帰りますよ」


「わかったわかった、もう外も暗いし送っていくよ」


「いいんですか?」


「流石に女性を、しかもシシリアみたいな美人を夜一人で帰すのは危ないからな」


「……またそういうことをサラっと言葉にするんだから…///」ボソッ


「どうした?」


「いえ、なんでも。ではすみませんがお願いします」


「了解」

PV3000超え、ユニーク読者700超えありがとうございます!


少しでも皆様の暇潰しになれたなら幸いです。


今後とも暇なときで良いのでお付き合いしてくだされば嬉しいです。

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