子供の夏休み、読書感想文が課される制度に疑問があっても、宿題ならばクリアしなければならない。著述家の読書猿さんは「自分の悪いところを反省したという優等生的な作文ではなく、問いから始める書き方をマスターすれば将来、論文などを書くときに役立つ」という――。
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撮影=プレジデントオンライン編集部

子供のタイプ別に本を選ぼう

「読書感想文という制度はもうやめるべき!」と、いくら声高に叫んでも、実際、夏休みの宿題として出ている限り、読書感想文を書かないわけにはいきません。今回は、読書感想文の書き方についてお教えしましょう。

読書感想文を書くには、まず選書からスタートします。なんと言っても、その子が楽しく読めるものがいちばんです。読書感想文を書くには、繰り返し読むことが必須なので、それができる本を選ぶべき。読んで苦痛な本を何度も読むのは大変ですから。

だから私はマンガでもいいと思いますが、大人は大人の思う“よい本”をすすめがち。それは選書のプロでもそうです。世にある、たいていの推薦本は、対象にしている人よりレベルが高い。あるいは自分が読んでよかったと思う本をすすめがち。結果、その子に合わない小説になることが多いですね。

読書猿おすすめ本、子供のタイプ別

「なんでも好きなものでいい」と言ったらかえって困る人もいるかもしれません。そんな時は、たとえば子供のタイプ別に選ぶという手があります。

これは昭和生まれの私のセレクトなので近年の新刊が入っていませんが、一例を挙げます。

・活発で元気な子
ズッコケ三人組』シリーズ(那須正幹)、『ぼくらの七日間戦争』(宗田理)

・動物が好きな子
ルドルフとイッパイアッテナ』(斉藤洋)、『子ぎつねヘレンがのこしたもの』(竹田津 実)

・感受性豊かな子
西の魔女が死んだ』(梨木香歩)、『チョコレート戦争』(大石真)

・科学や不思議好き
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(廣嶋玲子)、『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)

・笑いが好きな子
かいけつゾロリ』シリーズ(原ゆたか)など